
2025.10.21 NEW
かんたんケア 自力介助
シニア世代の尿失禁対策に、紙おむつは欠かせないアイテムです。いろいろな種類がある中で大切なのは、安心してモレを防げることや、快適なつけ心地。そして「できるだけ自分で、少しのサポートではけること」も見逃せないポイントです。ここでは、介護のプロの視点から、高齢の方とサポートするご家族の両方にとって安心できる「初めての紙おむつ」の選び方をわかりやすくお伝えします。
監修した専門家

介護福祉士
境野 みね子さん
日本ホームヘルパー協会前会長/主任ケアマネジャー

おむつを使い始めるきっかけは人それぞれですが、多くは「夜中のトイレがつらくなってきた」「外出先での失敗が心配になった」といった日常の不安から始まります。なかには、介護する家族のすすめや病院でのアドバイスがきっかけになる場合も少なくありません。
また、夜中のトイレで転倒してケガをする危険性や、外出時にトイレが間に合わない不安なども、おむつを取り入れる大きな動機になります。相手のプライドに配慮しつつ、「おむつ=恥ずかしいもの」ではなく「安心して暮らすための選択肢」と伝えることが、サポートする家族からすすめる際の大切なポイントです。
紙おむつには「紙パンツ」と「テープ式」の2種類があり、さらにサポート用品として「尿とりパッド」もあります。どれを選ぶか迷ったときは、まずどのくらい自分で動けるか、身の回りのことをどこまで自分でできるかを考えることが大切です。
例えば、親御さんと離れて暮らしていると、生活の様子が分かりにくいこともありますが、電話や訪問の際に動きやすさや生活のリズムを確認し、その自立度に合わせて選んであげると、本人も負担が少なく安心して使えます。

紙パンツは、自力または介助で歩ける方で、尿もれが気になる場合に便利なアイテムです。紙おむつを初めて使う方には、下着に近い薄手タイプを選ぶと、違和感が少なく使いやすいでしょう。見た目は普通のパンツに近く、やわらかく肌ざわりのよい製品も多くあります。
紙パンツはこんな方向け

寝て過ごす時間が多い方には、テープ式紙おむつが便利です。寝たままの姿勢で交換できるため、介助が必要な方に向いています。ただし、おむつを本体で固定しながら両脇のテープを止める作業は自力では難しいため、自分で交換する方にはあまり適していません。
テープ式紙おむつはこんな方向け
紙おむつ1枚でも使えますが、薄めのおむつと尿とりパッドを組み合わせると、汚れたパッドだけを交換できるため、経済的で衛生的です。ズボンを脱がずに交換できるので、外出時のケアもスムーズ。さらに、こまめに替えることで肌への刺激も抑えられます。パッドは吸収量や通気性の表示を確認して選ぶのがおすすめです。


高齢になると握力の低下や指の関節のこわばり・変形(ヘバーデン結節など)で、日常のちょっとした動作も大変になることがあります。例えば、ペットボトルのフタが開けにくいといったこともその一例です。
紙パンツの着脱も同じで、苦労する方は少なくありません。できるだけ自分の力で上げ下げできるよう、ウエストギャザーが広げやすく、軽い力で引き上げられるデザインを選ぶと使いやすくなります。
紙おむつを選ぶときは、尿をしっかり吸収する「吸水力」が最も重要です。さらに、シートに通気性があるものを選ぶとムレにくく、かぶれの心配も減ります。また、におい対策も忘れずに。においが気になると外出をためらいやすくなり、気力や体力の低下につながることもあります。
尿のアンモニア臭に対応した消臭機能のある製品を選びましょう。さらに、紙パンツに尿とりパッドを重ねて使うと、モレ防止と快適さを両立できます。使用する時間帯や排尿量に応じてパッドを選び、快適な日常をサポートしましょう。

尿とりパッドは、消臭機能のあるものを選びましょう
紙パンツはウエストサイズに合わせて選ぶことが大切です。ウエストを測るときは、お腹の一番細い部分を目安にしましょう。測ったサイズとパッケージの参考サイズを照らし合わせて選ぶことで、装着感の不快や尿もれを防げます。使用する方にぴったり合ったサイズを選ぶことが快適さのポイントです。

紙パンツはサイズが合わないと不具合が起こりやすくなります。小さすぎるとお腹や股を締めつけて不快なうえ、吸収面が十分に当たらず尿もれの原因に。逆に大きすぎると隙間からモレやすくなり、使用後にズレ落ちてしまうこともあります。適切なサイズ選びが、快適で安心な使用のポイントです。

紙パンツは、使用する本人はもちろん、サポートする家族にとっても快適さを支える大切なアイテムです。選ぶときは、吸水力や通気性などの基本性能に加え、「下着のようなはき心地」や「自分で上げ下げしやすいか」といった点も重視しましょう。体に合ったものを選ぶことで、日々の負担が軽くなり、気持ちにも余裕が生まれます。
監修した専門家

介護福祉士
境野 みね子さん
日本ホームヘルパー協会前会長/主任ケアマネジャー
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主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)/介護福祉士。以前は銀行員として働いていたが、母を亡くしたことをきっかけに介護の世界へ飛び込む。この経験が、新たな人生のスタートとなる。市役所の介護課で勤務し、地域の介護サービスの向上に尽力。その後、自分の理想とする介護サービスを提供するために「株式会社愛ネット」を2003年に設立。介護ヘルパーの地位向上と研修の推進に力を注ぎ、多くの介護従事者の支援に尽力。「力を入れない介護」を広めるため、日本ホームヘルパー協会の会長も務め、全国規模での介護サービスの改善と支援に取り組んでいる。著書「家庭の介護 プロが教える紙パンツと紙おむつの交換法(アスク出版)」

高齢者や介護をする家族の日常に、少しでも安心と快適を届けたい――花王はこの想いを大切に、紙おむつやケア用品、そして役立つサポート情報を幅広くご提供しています。
体型や状態に適した製品を選ぶことで、モレやムレの心配を軽減。ご本人の自立をサポートする機能を備えた製品を選ぶことで、ご家族の介護負担も和らげることができます。日々の介護をもっと前向きに、笑顔に満ちた時間に変えていきませんか。

「リリーフ 上げ下げらくらくパンツ」は、軽い力でも上げ下げしやすい大人用紙パンツです。伸びやすいウエストギャザーと花王独自の指かけポケットで着脱がスムーズ。全面通気シートでムレを防ぎ、消臭成分が尿のにおいも抑えます。
長めの吸収体が股モレや背モレをしっかりガードし、吸収量は2~5回分から選べるため、使用シーンに合わせて快適に使えます。大人用おむつで唯一、日本ホームヘルパー協会推奨の安心アイテムです。

うす型なので、おむつの使用を周りに気付かれないことも◎

「リリーフ 超安心パッド紙パンツ用」は、紙パンツに重ねて使うことでモレを防ぐ大人用尿とりパッドです。立体ギャザーが横モレをしっかり防ぎ、幅広テープで紙パンツに密着してズレを防止。テープは繰り返し貼り直せるので扱いやすく、股下にある青い目印線のおかげでパッドの装着位置もわかりやすくなっています。さらに、全面通気シートでムレを抑え、アンモニア臭を抑える消臭機能も搭載。吸収量は最大4回分タイプがあり、長時間でも安心して使える製品です。
ご愛用者からの声
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お腹まわりのゴム部分が良い

頻尿でトイレに行くたびに紙パンツを上げ下げするが、この「上げ下げらくらくパンツ」はお腹まわりのゴム部分が特に良い。はき心地も良く、非常に良い商品を開発してくれたと思った。(70代)
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脱ぎ履きしやすく安心感がある

持病の発作があり紙パンツが手放せない中で、「上げ下げらくらくパンツ」は脱ぎ履きしやすい上に、モレないしムレない。発作が収まってしばらくしてから紙パンツを履いてたんだと気がつくぐらい。安心感があるリリーフをこれからも手元に置いておきたい。(60代)
年齢を重ねると、少しずつできることが変わっていきます。それでも「自分でできた」という体験は、小さくても自信や前向きな気持ちにつながる大切な力です。リリーフの「上げ下げらくらくパンツ」と「超安心パッド」は、その気持ちを大切にしながら、排泄ケアをやさしくサポート。本人の“できる力”を引き出し、日々を安心して過ごせるよう応援します。
ご紹介したお役立ちアイテム
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