
#最新研究紹介

毎日しっかり寝ているのに、なんだか体がだるい、集中力が続かない。その「いつもの疲れ」は、知らぬ間に進行している「姿勢のゆがみ」が原因のひとつかもしれません。
近年、猫背や反り腰といった不良姿勢への関心が高まっています。 その理由として考えられるのが“姿勢のゆがみによる健康への悪影響”。
そんなことはわかってるよと思う方も多いかもしれませんが、じつはその関係は十分に解明されていなかったのです。


スマホやデスクワークなどで、気づかないうちに疲れをため込みやすい私たちの暮らし。疲れを感じやすい現代人の生活に寄り添うため、花王は姿勢と疲れの関係の研究に着手。
その関係を突き止める上で着目したのが
「歩いているとき」。
「よい姿勢」というと静止状態のイメージですが、私たちは常に動いて生活しています。
「きをつけ!」と言われたら良い姿勢を意識しますが、24時間のうちその姿勢でいることなんてほんの一瞬の話。そう考えると、歩行中こそ筋肉や関節の動きのクセが出て、姿勢のゆがみがより現れやすくなると考えられます。


「歩行中の身体アライメント(骨格や関節、筋肉などの位置関係やバランスのこと)」こそ着目すべきポイント!
歩行時の姿勢を瞬時に見える化!
花王が開発した「Walk Coordinator™(ウォークコーディネーター)」技術は、スマートフォンをお腹にあててわずか8歩歩くだけで、 3軸加速度センサーによる1歩行周期データ(片足が接地してから次に同じ足が接地するまで)を用いて、骨盤や脚の動き方を細かく分析します。
この技術によって、
個人の歩行パターンに表れる
ゆがみの特徴を数値化・分類

Walk Coordinator™技術を使って919名の歩行データを取得し、身体アライメント(姿勢のゆがみ)に関係する52項目を抽出し、そのゆがみのレベルでマッピングした結果(→図1)、3つの主なタイプ(A、B、C)に分類できることが判明。


2024年に行った196名の慢性疲労スコアと歩行測定データを併せて分析したデータを重ね合わせることで、ゆがみと疲労に明らかな関係があることがわかりました。

*1 20~87歳の男女を対象として2023年6月に実施した弘前COI(岩木健診)の データを活用
*2 変分オートエンコーダー(VAE)による機械学習とt-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)アルゴリズムを利用して2次元に圧縮
*3 2024年11~12月、 30~59歳の男女を対象に2024年11~12月に実施した観察研究のデータを解析。慢性的疲労度は、米国疾病予防管理センターが慢性的疲労症候群などの診療で推奨しているChalder Fatigue Scale法(チャルダー疲労スケール)を用いて合計スコア(0~42)で評価


【根拠論文】
Lu L & 他, 2020. PMC (open access)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7579401/?utm_source=chatgpt.com
金沢大学 理工学域・他研究グループ(西川裕一他)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/198195/【プレスリリース】頭頚部前方位姿勢による疲労感は僧帽筋の過剰な筋活動に起因することを発見!.pdf?utm_source=chatgpt.com

「姿勢が悪いよ」なんて言われても、なかなか直せないのが人間の性。骨格や筋肉の使い方のクセが固定され、一瞬意識してもすぐに悪い姿勢に戻ってしまいがちです。
エクササイズなどによって、歩き方や座り方のクセを改善し、負担のない体の使い方を目指しましょう。
「エクササイズは続かない…」という方には、椅子、ベルト、アーチサポートインソールなどの姿勢補整グッズの活用もおすすめです。
花王では、身体アライメントのゆがみがアーチサポートインソールによって補整できる可能性にも着目しています。

こうした結果は、姿勢のゆがみや疲労の感じ方が、私たちの歩き方と深く関係していることを示しています。一人ひとりが自分の体の動きに目を向け、正しい姿勢を意識することが、日々の疲れに向き合う第一歩になるかもしれません。