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スマホの使い過ぎで、首・肩・姿勢が!?


人間の首の骨(頸椎)は、本来ゆるやかに前方へカーブしています。そして腰の骨や骨盤とあわせて、全体でS字カーブを描いているのが一般的に望ましいとされている姿勢。このS字の形には、頭の重さ(なんと体重の約10%!)による負担を全身に分散させるという大切な役割があります。

ストレートネック*とは、首の骨(頸椎)のカーブが失われ、まっすぐに近い状態のこと。場合によっては、逆向きにカーブしてしまう「後湾」になることもあります。
*状態によっては、逆向きにカーブしているように見える場合があり、そのような状態を指して「後湾」と呼ばれることもあります。

このようにS字カーブが崩れることで、首や肩まわりの筋肉への負担も大きくなりやすいといわれています。
スマホ、PC、デスクワーク……現代人にありがちな生活習慣がもたらす首まわりの姿勢問題。それがストレートネックなのです。


首周りの筋肉がこわばり、
首の骨(頸椎)がまっすぐに
なっている状態です。

悪い姿勢が続くことで、
首の骨(頸椎)の間隔が
狭くなったり、骨の形状に
変化が見られることも。
かかと・お尻・背中を壁につけて立ってみましょう。自然に立ったとき、後頭部が壁にぴったりつくかどうかを確認します。後頭部が壁から離れてしまうほどストレートネックの可能性が…


ストレートネックは「スマホ首」とも呼ばれ、その名の通り、要因の1つとしてスマホやパソコンの使用習慣が関係しています。
スマホを見るとき、無意識のうちに首が前に出て、背中が丸まってしまっていませんか? そうした姿勢では脊椎(首から背中にかけての背骨)のカーブが緩やかに。ところが、仕事でもプライベートでもスマホやパソコンを長時間使い続けると、その姿勢が「当たり前」に…。
しかし実はそれがすべてではありません。

2026年2月に発表された研究では、スマホや動画コンテンツを長時間見る習慣のある人は、頭が前に出た姿勢(前頭位姿勢)になりやすく、そうした人ほど睡眠の質が低い傾向にあることが示されています。
この研究*では18〜35歳の200人を対象に首の角度を計測し、ピッツバーグ睡眠品質指数を用いて睡眠の質を評価。スマホの長時間使用と姿勢の変化、首まわりへの負担、そして睡眠の質との間には関連があることが明らかになってきました。
*Tamanna A, Tyagi A, Gakhar H. Association between forward head posture and impaired sleep quality in OTT users. Journal of Clinical and Diagnostic Research. 2026.
「ストレートネック=首の問題」と思うかもしれません。でも、実はそれだけではありません。
首や頭の付け根に負担がかかりやすい背景には、背中の下の方にある胸椎(背骨)の動きも関係しているといわれています。

こうした首や頭の付け根の負担となる状態が続くことで、ストレートネックのような姿勢につながってしまう可能性が…。


ストレートネックを見直すためには、首まわりだけをケアするのではなく、その下にある背骨(胸椎)を動かして柔軟性を意識して動かすことも大切。
エクササイズを始める前に、自分の背骨がどんな状態かを確認してみましょう。
背骨(胸椎)は、上下・左右・ひねりと多方向に動く構造になっています。ストレートネックの見直しには、その動きや柔軟性がどうなっているかを把握することも大切。椅子に浅く座り、骨盤を立てて上体をまっすぐにした状態で、以下の3つの動きで背骨の柔軟性をチェックしてみましょう。

両腕を自然に下ろし、腰が反らないよう気をつけながら、みぞおちをなるべく前方へ押し出してみましょう。
みぞおちが顔より前の位置まで出せるかどうかを確認します。
顔の位置より前に出しにくい、または出そうとすると腰が反ってしまう場合は、背骨全体を丸めたり反らしたりする「屈伸」の動きに偏りがある可能性が。

両手を左右の肋骨に軽く添え、脚を腰幅に広げます。上体が傾かないよう意識しながら、みぞおちだけを左右にスライドさせてみましょう。
左右ともみぞおちがお尻の中心(坐骨)より外側までスライドできるかを確認します。
坐骨の内側までしか動かない、または体が横に傾いてしまう場合は、左右に倒す「側屈」の動きに偏りがある可能性が。

両手を胸の前でクロスし、脚は腰幅に開きます。背骨を縦軸にして、首ごと上半身を左右にゆっくりひねり、できるだけ後方を見るようにします。
左右とも体が約60度(時計でいう10時10分の方向)までひねれて、首も真横より後ろを向けるかを確認します。
60度まで体をひねれない、または首が真横までしか向かない場合は、 体幹や腹筋を使った上半身の「回旋(ひねり)」の動きに偏りがある可能性が。
チェックしてみていかがでしたか?
柔軟性を意識し、この3方向をまんべんなく動かすことで、背骨(胸椎)の動きを引き出しやすくなります。
次に背骨を「屈伸」「側屈」「回旋」の3方向に動かす「背骨リリース」エクササイズでストレートネックのような姿勢を見直すきっかけをつくっていきましょう。

ストレートネックの見直しに
背骨は「前後(屈伸)」「左右(側屈)」「回旋」といった多方向の動きを持つ構造。腰椎は屈伸、胸椎は回旋の動きに関わる部位とされています。
それぞれを意識したエクササイズは、胸椎の動きを引き出し、首まわりの負担との関係を見直すきっかけに。ぜひ実践してみてください。
胸椎のスムーズな動きをサポートするには、背骨全体を丸めたり反らしたりする「屈伸」の動きが効果的です。
四つ這いになり、肩の真下に手、骨盤の真下に膝がくるようにします。
足首は立て、目線は斜め前方に向けます。
息を吐きながら背中を持ち上げ、おへそをのぞき込むように丸めます。
今度は息を吸いながら天井を見上げ、肩甲骨を寄せながら背中を反らします。
この動きを10回繰り返しましょう。
四つ這いになり、肩の真下に手、骨盤の真下に膝がくるようにします。
背骨を1つずつ順番に、しなやかに動かしていくイメージ。
腰だけが動いて背中に動きを感じない場合は、動作を見直してみましょう。
背骨の柔軟性を引き出すためには、左右に倒す「側屈」の動きも大切。お尻・脇腹・太ももの前の柔軟性を高め、スムーズなからだの動きのきっかけとなります。
片膝立ちになり、それぞれの膝が90度になるようにします。
背筋をまっすぐ伸ばし、両手を腰に当てます。
床についている膝側のお尻を締め、太ももの前の付け根が伸びていることを感じながら、反対側に腕を上げて体を15〜30度ほど横に倒します。
息を吐きながら倒し、吸いながら戻す。片側10回を目安に行いましょう。
お尻を締めることがこのエクササイズの最重要ポイント。太ももの前の付け根の伸びをしっかり感じましょう。
腰が反らないよう、腹筋で体を安定させながら動作しましょう。
体を横に倒すとき、伸びている側の指先をより遠くに引き伸ばすイメージで行うと、より動きを意識しやすくなります。
背骨の柔軟性を意識するための3つ目の動きは「回旋(ひねり)」。体幹や腹筋を使いながら、上半身を動かす土台をつくるエクササイズです。
仰向けに寝て、両手を肩の高さで横に広げ、手のひらを天井に向けます。
両膝を90度に曲げ、床から浮かせます。
鼻から息を吸ってお腹を膨らませたら、息を吐きながら両膝をゆっくり左側へ倒します。
肩が床から浮かない範囲で倒したら、息を吸いながら元に戻します。
足が開いて膝が離れないように意識しながら行いましょう。腰が床から浮かないように注意することも大切です。
肩が浮かない範囲で、だんだん深く左右に倒せるようになることを目指しましょう。
腰をひねるのではなく、みぞおちのあたりを起点に腹筋で動かすイメージで。
大切なのはストレートネックが「首だけの問題」では終わらないということ。首の骨のカーブが失われると、からだ全体のS字バランスにも影響し…。そんな状態を見直すためにも、首だけでなく、背骨全体に目を向けることが大切です。
ストレートネックとは、もちろん、日頃から姿勢を意識することも欠かせません。まずはスマホを見るときは目線を少し上げる、長時間同じ姿勢を続けない、など小さな積み重ねや習慣から、首まわりの環境を少しづつ整えていきましょう。
