
生理中になると、デリケートエリアのかゆみや蒸れが気になることはありませんか。
「ナプキンで蒸れているだけかも」「いつものことだから」と、だれにも相談できずに我慢している人もいるかもしれません。
その不快感は気持ちだけの問題ではなく、実際に肌が負担を感じている可能性もあります。
我慢するのが当たり前になりがちな生理中の不快感ですが、少し見方を変えることで、対処のヒントが見えてくるかもしれません。
今回は、花王で実施した調査結果(※)から、生理中のかゆみや蒸れについて、生理前からできる対策のポイントを若松町こころとひふのクリニック院長 檜垣 祐子先生に教えていただきます。
(※)この記事は、花王が2020年に20~39歳女性72名を対象に実施した調査結果をもとに作成しています。なお、調査結果は第64回日本母性衛生学会学術集会(2023年)にて発表しています。
生理中に感じるかゆみや蒸れは、生理期間中の一時的なものであり、「仕方ないもの」と思ってしまうこともありますよね。
しかし、生理中にデリケートエリアのトラブルを感じている女性を対象にした調査では、ほとんどの方がかゆみや蒸れを感じており、その多くにデリケートエリアの紅斑(赤み)の皮膚変化が見られました。(図1)
つまり、感じている不快感の背景には、実際に肌のプチトラブルが起きている可能性もあるのです。
こうしたことからも、「仕方ないもの」として我慢するのではなく、カラダの状態に合わせたケアを考えていくことが大切です。

(図1)
今回の調査からは、生理中の不快感には、生理ではない期間のおりものケアも関係している可能性が見えてきました。
おりものは、ひと月の中でも量や状態が変化し、個人差も大きいです。
例えば、生理間隔の真ん中あたりの排卵期にはおりものの量が増えやすく、肌に触れる時間が長くなることがあります。
また、生理前の黄体期にはおりものが粘ってベタつきやすくなり、不快に感じやすくなることもあります。
今回の調査では、生理終了16日~生理が始まる前におりもの量が多い人について詳しく見てみると、紅斑(赤み)のスコアが「0(なし)」だった人は、全員がパンティライナーを1日2枚以上使用していました。(図2)
また、パンティライナーの交換頻度も、紅斑(赤み)の程度と関係している可能性があります。
おりものの量が増える時期には、パンティライナーを使用し、こまめに交換することが大切なようです。

(図2)
ひと月の間に質や量が変化するおりものは、その変化に合わせてケアをすることが大切です。
日常の中で意識したいのは、「おりものが肌に触れ続ける時間を短くすること」や「蒸れにくい状態を保つこと」です。
おりものが長時間肌に触れ続けるのを防いだり、蒸れを抑えたりすることが、デリケートエリアへの刺激を減らすためのひとつの工夫になります。
例えば以下のような工夫があります。
・長時間同じライナーをつけっぱなしにせず、こまめに交換する
・下着は通気性のよい素材を選ぶ
パンティライナーだけでなく、生理中のナプキンも、こまめに交換することが大切です。
また、パンティライナーや生理用ナプキンは、通気性に配慮されたものや、肌への負担を感じにくいものを選ぶことも、蒸れにくく過ごすためのヒントになります。
(檜垣 祐子先生)
デリケートエリアのスキンケアは、お顔や他の部分のスキンケアと同じ、あるいはそれ以上に大切かもしれません。
デリケートエリアにも、自分を大切にするスキンケアを心がけましょう。
最近では、デリケートエリアにも使用できる洗浄剤も市販されていますので、使ってみるとよいかもしれません。
毎月の生理はうっとうしい、「ナプキンかぶれ」もやっかい、と感じている方は、生理でない普段の時こそ、デリケートエリアの状態を気にかけて、積極的にパンティライナーを使ってみるとよいのではないでしょうか。
生理中に感じるかゆみや蒸れは、カラダの変化のサインである可能性があります。
そしてその背景には、生理中だけでなく、日常の過ごし方やケアの積み重ねが関係していることも考えられます。
「仕方ない」と我慢してしまいがちな不快感も、少し見方を変えてみることで、自分にできるケアが見つかるかもしれません。
今の自分のカラダの状態に目を向けながら、無理のない範囲で取り入れられるケアを見つけていけるといいですね。
ケアを続けても改善しない場合や、不安がある場合は、ひとりで我慢せずに皮膚科や婦人科へ相談してみるのもよいかもしれません。
「知ってほしい」と思う友達やパートナーに情報をシェアすることは、お互いを思いやるきっかけにもなります。
この記事が、生理中のトラブルやおりものケアについて話すきっかけになればうれしいです。
檜垣 祐子先生

医学博士、皮膚科専門医。若松町こころとひふのクリニック院長。
東京女子医科大学名誉教授。藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科客員教授。
大学病院の皮膚科で20年以上診療に携わり、皮膚とストレスの関係に着目した皮膚心身医療や、女性のライフステージに寄り添う皮膚科診療に取り組む。
2017年より若松町こころとひふのクリニック院長として、皮膚科・皮膚心身医療科の診療を行う。
著書に『やってはいけないスキンケア』(草思社)、『もっとよくなるアトピー性皮膚炎』(南山堂)、『ひふとこころ』(南山堂)など。