2023年8月8日
洗い方次第でスッキリ!
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猛暑で汗びっしょりの日々。ムズムズが気になって頭皮を触っていたり、帽子を取ったときにモワッとしたニオイが気になることはありませんか?それは、頭皮の皮脂や汗が原因かも。髪の洗い方セルフチェックで当てはまる項目がある人は要注意!頭皮の汚れまでスッキリ洗い流すポイントを、長年、髪の基礎研究やヘアケア製品開発に携わっている研究員が伝授!コツをおさえて、爽快&清潔な頭皮で快適に過ごしましょう。
【監修】
杉野 久実
花王株式会社 ヘアケア研究所 研究員
髪の基礎研究、ヘアケア製品開発を経て、現在は頭髪に関わる情報開発担当。最新の花王の毛髪科学・消費者研究に基づき、科学的かつ実用的で理にかなった、頭髪のお手入れや製品技術情報を、総合的にわかりやすく社内外に提供している。2019年改訂新版「ヘアケアってなに?」(繊維社)著者の1人で、花王ヘアケアサイトの編集にも携わっている。
それは、皮脂や汗が関係しているかもしれません。
頭皮は、皮脂腺が全身で最も多く、汗腺は手のひらや足の裏に次いであり、皮脂も汗も分泌量が多いのが特徴。分泌された皮脂や汗は、頭皮を乾燥などから守る働きをしています。
ところが、肌表面の常在菌が皮脂を分解して生成した脂肪酸の中には、肌を刺激して赤みやかゆみを発生させたり、不快なニオイの原因になるものがあります。さらに、加齢やホルモンバランス、体調などによって皮脂や汗の量・成分が変化することで、ニオイが変わることもあるようです。
子どもは皮脂や汗など新陳代謝が活発なので特に注意してあげましょう。
「皮脂や汗は夏のもの」と思いがちですが、夏は分泌量が多く、冬は頭皮に残りやすいため、皮膚刺激(赤みやかゆみなど)を引き起こします。年間を通して気を付けて!
小さいころから続けていて、人それぞれに「自分流」がある、髪の洗い方。以下の項目で、思い当たることはありませんか?
ひとつでもチェックの付いた方は要注意!ひとつもなかった方もぜひ、5つのポイントを確認してみてください。
髪はぬれるとより絡まりやすく、頭皮まで洗いにくくなり、髪も傷むので、ぬらす前に目の粗いブラシやクシでもつれをほどいておきます。長期間洗髪できなかったりして頭皮の汚れが気になる場合は、頭皮への当たりが柔らかいクッションブラシで頭皮の汚れも浮かせておきましょう。
シャンプーを付ける前にお湯で流すことで、お湯になじみやすい汚れはかなり洗い流せます。指で頭皮や髪の根元に触れながら、頭皮と髪全体をしっかりぬらしましょう。こうすると、シャンプーが全体に行き渡って頭皮まで洗いやすくなります。
①シャンプーを手のひらで軽く伸ばします。
②顔周りだけでなく、後頭部や耳の上・後ろなど髪の重なりの多い部分の根元にもシャンプーを付けて伸ばします。
③指の腹で小刻みにマッサージするように、頭皮や根元全体にシャンプーを広げるようにして洗います。指で触ってみて、頭皮や髪の根元の泡が消えていたら、シャンプーを補いましょう。
後頭部や耳の上・後ろなど髪が重なっている部分は洗い残しやすいので、髪の内側に指を入れたり髪を分けたりして、頭皮に触れて洗うことを意識しましょう。襟足は、髪をかきあげる要領で首筋から髪の内側に手を入れます。
メリットシャンプーブラシの使い方や詳しい情報はこちらへ
「メリットシャンプー」ブランドサイト
髪の表面を手のひらでなでるだけの「なで洗い」や「なですすぎ」。30代以下、特に、頭を起こしたまま、正面や上向きで洗う人に多く見られます。
髪の根元や頭皮に残る皮脂や汗にシャンプーが届かないため、十分に洗い落とせず、「洗ったばかりなのにクサイ。頭皮がベタつく。フケが出る」という状態につながります。
コンディショナーもトリートメントも髪の状態を良くするものなので、頭皮ではなく髪に付けます。毛先から髪全体になじませ、手グシで毛流れを整えながら行き渡らせます。
髪になじませた後は、指の腹で、頭皮からすすぎ始め、髪は指を通しながらぬるついた部分がないように十分にすすぎましょう。 すすぎ足りないと成分が髪全体に十分行き渡らず、部分的に偏ったり、固まりで残ってベタつきの原因や指通りの妨げになります。
しっかりすすいでも大丈夫です!
コンディショナーやトリートメントは、すすぎながら髪の表面にまんべんなく薄く吸着することで全体がなめらかで指通りが良くなります。指を通しながらしっかりすすぐことは、全体に行き渡らせることにもつながります。
根元の水分をしっかり取ると、毛先に流れる水分が抑えられ、効率良く乾きます。また、根元からしっかり乾かすことで、頭皮もスッキリする上、毛流れが整い、根元からふんわりした、清潔感のある見た目に仕上がりやすくなります。
髪が長い場合は、タオルで耳下部分の髪を包み込むようにしてやさしくたたき、したたり落ちる水分を取ります。その後、タオルを頭にかぶり、指の腹で頭皮や髪の根元の水分を拭き取ります。
ぬれている髪を整えるときは、目の粗いブラシやクシを使いましょう。
最初に根元を乾かしてから、毛先に向かって乾かすと、効率よく乾き、しかもきれいに仕上がります。髪の間に指を入れて小刻みに動かし温風を入れるようにして乾かしましょう。髪の重なりの多い、後頭部や耳上あたりの根元を忘れずに。
根元全体が乾いたら、毛流れを揃えるように根元から毛先に向かってドライヤーの風を送り、ハンドドライで毛先までしっかり乾かします。
毎日でも1日おきなどでも、かゆみ・ニオイ・ベタつきが気にならない洗髪頻度で構いません。皮脂・汗の分泌は、個人差や季節、活動量などによって異なります。皮脂や汗を頭皮上に長時間残さず取り除いて、刺激やニオイの原因となる脂肪酸などの生成を抑えると、トラブルを防ぎ、角層の構造や生まれ変わりのサイクルを健常に保つことができます。
頭皮や髪にある油性の汚れを洗い流せているかどうか、シャンプーの泡立ちが目安になります。
十分に泡立ち、頭皮にシャンプーが行き渡っている状態なら、1度洗いで十分。 洗っているときに「泡立ちが悪い」と感じたら2度洗いを。1度目のシャンプーをいったんすすいでから、2度目に頭皮にシャンプーを行き渡らせます。
シャンプーのときに頭皮を上手に洗うことが、イヤな臭いやベタつきを防ぐカギになります。自己流で洗っていた人も、紹介した5つのポイントを押さえて、頭皮スッキリ!爽やかに夏を乗り切りましょう!