2023年8月22日
いつまでも自分の脚で行動したい
シェアする
最近、歩くのが遅い、億劫と感じることはありませんか?もしかしたら、「フレイル」が始まっているかもしれません。「フレイル」とは加齢による心身の活力の虚弱を意味します。今回は、日常生活や運動習慣でフレイルを予防するコツを紹介します。40歳以降のそろそろプレシニアという方も必見です!
フレイルとは「虚弱」や「老衰」と訳され、加齢や運動・栄養不足による体力の変化から、さらに運動不足・食欲・筋力・歩行能力などの低下を招き、活動量が減ることを言います。高齢者も健康な状態から、いきなり要介護になるケースは少なく、このフレイル(虚弱)期間を経て、要介護期を迎えます。
健脚の高齢者がいる一方、引きこもりがちな高齢者もいます。そのカギを握るのが「健康」と「要介護」の間に位置する「フレイル(虚弱)」期間。
運動不足→食欲がわかず筋力が低下→歩くのが億劫→引きこもり→さらに運動不足というように、「フレイルの負のスパイラル」に陥らないようにすることが大切です。
最近、「やせた?」と言われるようになった、瓶やペットボトルのフタが開けにくい、友人と並んで歩くと遅れがちになるなど、日常の何気ない気付きのなかに、フレイルの影が潜んでいます。
自分がフレイル状態かどうか、まずはチェックしてみましょう。
フレイル・セルフチェック
また、加齢や疾患により筋力低下がおこり、身体機能が低下していないか、「指輪っかテスト*」で筋肉量をチェックしてみましょう。
ふくらはぎの筋肉量をチェック(指輪っかテスト*)
1)椅子に座った状態で
2)両手の人差し指と親指で輪っかを作ります
3)利き足ではない方のふくらはぎの一番太い場所を力をいれずに軽く囲んでチェックします
まずは日常生活からフレイル予防を意識してみましょう。
ふだんの家事も、いつもより大きな動きを意識すると、いい筋刺激になります。
ただし、痛みやふらつくときは無理はしないでください。
例)
・床を片付け、大きく一歩踏み出すように掃除機やワイパーをかける
・洗濯物をしっかりふりさばく など
ふだんから姿勢のよい「座り方」「立ち方」を意識するだけでも、腹筋・背筋の刺激には有効です。例えば、デスクワークや電車・バスでの座り方、立ち方を意識するのは、今日からでもできそうです。姿勢ひとつで外見も若々しくみえます。
姿勢が悪くなると?
高齢者はタンパク質不足で筋力が落ちることがあるので、タンパク質摂取を意識したバランスのよい食事を心がけましょう。食欲がない、ふだんから少食など、食事からタンパク質をとりにくい場合は「プロテイン」飲料やスナックなどの栄養補助食品もおすすめです。
ふだん歩く習慣がなかったり、少し体力が落ちているときには、いきなり早く歩くのは禁物です。 まずは軽い筋トレを行い、筋力をつけながら、近所に散歩や買い物に行ったり、お出かけする機会を増やして、歩く力をつけましょう。
●刺激される筋肉部位
詳しい方法はこちらのPDFから
フレイル予防のためのウォーキングは、ダイエットや脂肪燃焼のためのウォーキングとは違い、加齢による筋力低下からくる腰痛やひざ痛、転倒などを予防するために、筋肉や骨を刺激することが目的になります。ただ歩いて歩数をかせぐのではなく、筋肉を意識して効果的なフォームでいつもより少し早い速さで歩くとより効果的です。
フレイル予防のウォーキングフォーム チェックシート
歩行時の靴の選び方
ウォーキングでかかとから着地すると、全体重が片足のかかとにかかり、その刺激で骨の代謝が促進され骨密度が高まります。「かかと着地」を意識しましょう。
正常な歩き方をしていれば、「かかとのやや外側」から「左右同じくらい」減ってきます。他の場所や左右非対称に減っている人は、知らず知らずのうちに悪い歩き方になっている可能性があります。時々、靴底をチェックしてみましょう。
知らず知らずのうちに進んでしまうフレイル。40歳過ぎたらセルフチェックで予防を心がけ、いくつになっても自分の脚で楽しみたいですね。