2023年10月24日
【動画で実践】歩きやすい&続けられる!
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歩くための新常識!ウォーキングを始める前に体のバランスを整え、歩きやすい体を作る5つのエクササイズと靴選びから歩き方まで、花王の健康研究のエキスパートが動画を交えて紹介。歩くとすぐに疲れたり、痛みが出てウォーキングが長続きしない人、必見です!毎日、少しずつ続けてウォーキングを楽しみましょう。
【教える人】
理学療法士 水本 理恵
花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所
ウォーキングアドバイザー
門田 浩樹
花王株式会社 健康開発推進部
エクササイズ監修:㈱PCP
手軽に始められる人気のウォーキングには、こんなに良いところがたくさん。
一度にたくさん歩くよりも、1回20分以上、短時間で日々継続して行うことが大切です。
しかし、歩きたくても続けるのがなかなか難しい方も多いようです。
それはもしかしたら、運動不足や生活習慣から、体の柔軟性や筋肉のバランスが悪くなり、歩く動作がうまく機能していないからかもしれません。
利き腕や利き足など多少の左右差は問題ありませんが、バランスよく歩くためには、自分の体の左右差を知ることが大事です。
もし、左右差があるようなら、日常生活で次のようなクセに思い当たりませんか?
いつも同じ側の足や手、肩ばかりでなく、逆側もバランスよく使うなど、日常の動作から気を付けてみましょう。
ウォーキングを継続できるように、日頃から体のバランスを整える5つのエクササイズを習慣づけて、歩きやすい体を手に入れましょう。
ここがポイント!
対応部位=おなか・背中(深部)、回数(1日)10呼吸
深く腹式呼吸をすることで、無意識に体幹が安定し、軸が定まり、歩行時のバランスを助けます。
キツイと感じる方はできる長さから始め、最終的に10秒かけて吸い、12秒かけて吐くことを目指し、徐々に時間を伸ばしていきましょう。
YouTube video:歩行時のバランスを助ける「呼吸」 ※音声なし
あおむけになり、脚は開きすぎず腰幅に開き、両膝を立てた姿勢で、首、肩が緊張しないようにリラックス。
顎が上がったり、背中の緊張が強い場合は枕(タオルなど)を入れ、肩からお尻まで、床に着くように調整します。
10秒かけて鼻から大きく息を吸い、おなか、あばらが開くよう、胴全体が膨らむイメージで。
息を吸いきったら、12秒かけて鼻から息を吐きます。吐きながら、膨らんだおなかがだんだん萎んでいくようなイメージです。
おなか、腰、背中、脇腹、胸、全てが緊張感なく、ラク~に膨らむように。
対応部位=胸・おなか・背中、回数(1日)10回
体幹の安定と、背骨の動きを同時に行い、しなやかな動作が可能になります。猫や犬の姿勢に似てるのが名前の由来です。
YouTube video:しなやかな動作が可能になる「キャット&ドッグ」 ※音声なし
四つん這いになり、肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるようにします。
息を吐きながら、おへそをのぞき込み、背骨全体を均一に、できる限り丸めます。
息を吐き切ったら、吸いながら天井を見上げ、背骨全体を均一に、できる限り反らします。「丸める・反らす」を1セットとし、10回繰り返します。
対応部位=お尻(深部)、回数(1日)左右各20回
骨盤が安定し、歩行時、特に左右のブレに対して効果を発揮します。
脚によってやりやすさの違いなど左右の差を意識しながらやりましょう。
クラムシェルは開閉する二枚貝をイメージした命名です。
YouTube video:左右のブレを改善する「クラムシェル」 ※音声なし
横向きになり、枕に頭を乗せます。足裏、お尻、背中が一直線になるように、両脚をそろえて膝を曲げます。この時、腰が丸まらないように注意します。
足は付けたまま、膝だけ天井側へ上げ、3秒キープ。これを20回繰り返したら、向きを変え反対側の脚も同様にします。
回数を重ねるごとに、徐々にお尻の深いところに効いてくるイメージです。
骨盤が天井側へ開いたり後ろに倒れたりしないように、おへそは常に体の正面をキープ。お尻の深いところに効いてくる感覚を意識しましょう。
対応部位=お尻(深部)、回数(1日)左右各20回
お尻の強化になり、歩行時に身体の中心部を使えるようになります。足が疲れにくくなりますよ!
脚によってやりやすさの違いなど左右の差を意識しながらやりましょう。
YouTube video:足が疲れにくくなる「ヒップアブダクション」 ※音声なし
横向きになり、枕に頭を乗せます。床側の脚の膝を90度に曲げ、天井側の脚を伸ばします。体幹が安定するように手で支えます。
天井側の脚を、踵から天井へ引き上げるように脚の付け根から動かします。
30度程度上げ、3秒キープ。これを20回繰り返したら、向きを変え反対側の脚も同様にします。回数を重ねるごとに徐々にお尻の深いところに効いてくる感覚を意識しましょう。
脚を上げる際は、お尻に力が入っていることをしっかり意識します。
腰を反りすぎないよう、脚の付け根から動かしましょう。
対応部位=おなか(深部)、回数(1日)20回交互
手足をゆっくり動かすことで効率よく腹筋を鍛えましょう。体幹を安定させ、手足を滑らかに動かせるようになれば、全身がうまく協調し姿勢もよくなり、歩きやすくなります。デッドバグ(死んだ虫)という名はひっくり返った虫のイメージのようです。
YouTube video:姿勢を整え、歩きやすくする「デッドバグ」 ※音声なし
あおむけになり、両腕は前ならえで天井側へ、両脚は股関節、膝を90度に曲げます。
対角の手足を床に平行になるように下ろします。
これを左右交互に20回繰り返します。
下ろした脚は床に着けずに3秒ほどキープして、元の姿勢に戻ります。
手足を下ろす際に、顎が上がったり、腰が床から離れないようにしましょう。
スムーズな呼吸で、手足を動かしながら、体幹部が完全に安定していることを意識しましょう。
腰が浮いてしまう方や手足を同時に動かすのがきつい方は、手のみ、足のみと分けてやってみましょう。
ウォーキングを始めたとたん「足が痛い!」「靴擦れで歩けない」など、靴のせいでウォーキングを断念する人は少なくありません。
運動としてウォーキング(20分以上)をする場合は、足への負担が少なく疲れにくいウォーキングシューズを選ぶことをおすすめします。様々な機能を持ったシューズがあり選ぶのに迷いますが、ここでは基本のチェックポイントを紹介します。
足の形はひとそれぞれ。
ウォーキングシューズは、下記のポイントを念頭に試し履きしてから、選ぶことをおすすめします。できれば、スポーツ用品専門店の専門スタッフに相談して自分の足に合ったベストの靴を選びましょう。
ウォーキングシューズ選びのポイント
1. サイズは“かかとからつま先の実寸+1㎝のゆとり”
踏み出すときは、指の付け根を意識して蹴り出すため、足の指を動かせるゆとりが必要です。靴をかかとに合わせたら、つま先に1㎝ほどゆとりのあるサイズを選びましょう。
2. 足の幅も意識する
足で一番幅が広い指の付け根回りや、かかとの大きさも意識しましょう。サイズだけでなく幅が合っていないと外反母趾や靴擦れなど足のトラブルにつながります。
3. 厚めの靴底
歩行時はかかとから着地します。衝撃を吸収し、足首、膝や腰などへの負担を抑えるために、安定感のある厚めの靴底のものを選びましょう。ただし、厚底のカーボンプレートが入ったシューズは、接地面形状などがランニングに特化していることが多く、ウォーキングだけの使用には向きません。
4. ある程度の重さのある靴
靴の重みにより振り子のように足を前に出しやすくなり、歩きやすくなります。
靴擦れに悩む方へ
ソックスを通気性のいいものに変えたり、靴擦れしやすいところにワセリンや油分の多いクリームを事前に塗っておくのもおすすめですよ。
ウォーキングを実践するにあたって、「姿勢・目線・接地・腕振り」の4つのポイントを意識しましょう。
ポイント1 基本の立ち姿勢
●頭のてっぺんを真上に引っ張られるイメージで背筋を伸ばす。
●足裏全体で地面をとらえながら、母指球(ぼしきゅう)寄りの重心を維持。
かかとに重心が乗ると反り腰になりやすく、巻き肩・猫背になり、腰だけでなく肩回りにも負担がかかります。
立ち姿勢を意識することで、歩くときに足が出やすくなり、体に負担がかかりづらくなります。
ポイント2 目線
●顎を引いて、5m以上、前方を見る。
目線を前方に向けることで、良い姿勢を保ちやすくなります。足元など近くを見過ぎると、猫背になり肩回りに負担がかかります。また、転倒やけがを防ぐ意味でも、前方を見ることは大切です。
危なくない程度に周りの風景を見てリラックスして歩きましょう。
ポイント3 接地
①歩くときは、かかとを地面にドスンと打ち付けないように、軽く下ろします。
②一気に足裏全体で接地せず、かかとからつま先に重心を移動するイメージで歩きましょう。
③つま先で地面を蹴るときに指先だけではなく、指の付け根部分(母指球あたり)を意識します。指先だけを意識しすぎると、足指回り・ふくらはぎが疲れやすくなるので気を付けましょう。
ポイント4 腕振り
●90°を目安に肘を曲げ、真後ろに引くように意識して腕を振る。
●腕を前に振るときは力を使わない。
●余裕があれば後ろに引くときに肩甲骨も動かすことを意識する。
しっかり腕を振ることで、足が前に出やすくなり、歩幅が広くなります。
腕を後ろに引くときは、力みすぎないように気を付けましょう。
腕を前に振るときに力を入れると、巻き肩になったり、前かがみの歩き方になる場合があるので注意しましょう。
また、肘を90°に曲げることが難しい場合は、肘の力を抜いて伸ばし、腕を後ろに引くことだけを意識してみてください。
トレーニングもウォーキングも続けることが大切です。今日は「腕に気を付ける」「ウォーキングの前に呼吸のエクササイズをする」など、ポイントを決めて無理のない範囲でトライしてみてください。できることから少しずつ続けられるよう頑張りましょう!
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