多様な暮らしを「知る」ことで近づく心の距離

「身体に障害がある人のお掃除」の読者反響から

「身体に障害がある人のお掃除」のおさらい
〜自分自身で掃除をする人が約8割〜

Q.リビングや自室を掃除する人は?のグラフ ミライロモニター 上肢、下肢、体幹、内部、聴覚、視覚のいずれかに主な障害のある人 327人(2023年10月 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ)(複数回答)

Q.リビングや自室の掃除で使っているもの(洗剤以外)のグラフ ミライロモニター上肢、下肢、体幹、内部、聴覚、視覚のいずれかに主な障害のある人のうち、ご自身でリビングや自室を掃除する人 251 人 (複数回答/上位8項目)(2023年10月 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ)

調査の結果、障害の種類や程度は様々ですが、リビングを自分自身で掃除をする人が約8割。使う道具にも障害の有無による大きな違いはあまり見られませんでした。困っていることでは、「立ったり座ったり、腕を上げたりができないので、掃除が大変(上肢障害・下肢障害)」「汚れが見えにくいので、掃除の仕上がりが確認できない(視覚障害)」「音が聞こえにくいことで、掃除機にごみが詰まっても気付かない(聴覚障害)」などの声がありました。一方で、なるべく身体への負担を減らすような道具を選ぶ、汚れが見えないから毎日掃除をする、聞こえなくても周囲には騒音の配慮をするなど、「できる範囲の掃除は自分でしたい」という思いを大切にしていることもわかりました。

読者から寄せられた反響

「障害がある人の暮らしを初めて知った」

身近に身体に障害がある人がいなかったので、身体に障害がある人がどんなふうに掃除をしているかを初めて知りました。もっと理解を深めたい。(20代女性)

看護師で障害のある方と関わる機会は多いですが、掃除についてはヘルパーさんや家族がやっていると思い込み、こんな不自由があるとは知りませんでした。(30代男性)

自分で掃除している人が多く、びっくり。ヘルパー任せだと思っていた。リハビリにちょうど良いとポジティブな方もいて素晴らしい心掛けに感激。(30代女性)

まず多かったのは、身体に障害がある人が掃除を自分自身で行っていることへの驚きの声でした。街中で身体に障害がある人を見かけることはあっても、普段の生活を見る機会があまりないためか、自分で掃除をしているという事実、そのための工夫や掃除への思いなどに初めて触れた人が多かったようです。

「そういうこと、私にもある」

実家の母も高齢で、「膝や腰が痛くて掃除機や、かがんで拭き掃除などができない」と言っていたので、参考になりました。(50代男性)

私も今年事故で腰と足を折ってしまい、障害がある方の気持ちがよく理解できます。日常生活ですらままならないのに掃除や家事は本当に難しいと感じました。(30代女性)

私も妊婦になった時に、かがむことができず、狭いトイレの床掃除ではとても困った経験があり不便さは理解できた。(40代女性)

身体に障害がある人が掃除をする上での悩みや工夫を、自分ごととして捉えた人も少なくありませんでした。祖父母や両親、あるいは自分が年齢を重ねた時をイメージしたり、腰痛や一時的な怪我、妊娠中の経験から共感できることもあったようです。身体が思うように動かせなくなることは、自分や家族にも起こり得ること。自分とは関係がないと切り離すことなく、その暮らしに共感し理解する様子が見られました。

「接し方のヒントにしたい」

障害がある人の目線で物事を見たり、考えたりすることで、寛容さや配慮の必要性に気が付きました。(30代男性)

私が掃除することもできますが、祖父に掃除を手伝ってもらいます。「人の役に立っている」と感じてほしいので、できることはお願いします。(20代女性)

障害をお持ちの方と接する時、どのように接すればいいかを学習できたように思います。障害をお持ちの方に気軽に頼られるような人に成長したいです。(40代男性)

読者の中には、周りにいる家族や同僚などの障害がある人を思い浮かべた人たちもいました。普段、私たちは無意識のうちに障害の「ある」「なし」で線引きをし、立場を固定して考えがちなのかもしれませんが、人によって状況は千差万別。「思いを聞きつつ、頼ってもらう部分と任せる部分を一緒に考えたい」など、接し方を考えるヒントにもなっていました。

「目が向いたことがうれしかった」

私も耳が聞こえにくく、障害がある人の日常生活の、それも掃除にスポットを当てた記事なんて今まで見たことがない。よくそこに目を向けてくれたと感心しました。(40代女性)

同じ経験をしている人が多くて、うなずいてしまいました。ヘルパーに頼みたいけど、何でもお金がかかります。できるだけ自分でやっています。(60代女性)

私も事故の後遺症で軽いですが上肢に障害が残り、掃除などやり辛い部分があるのでとても共感できました。少数派の事も考えてくれているのが嬉しかったです。(50代女性)

障害のある方からは、自分たちの日常が話題になったことを前向きに受け止める声がありました。少数派である障害者を対象とした記事が少ないためか、自分たちを取り上げ、しかも掃除という日常に目を向けてくれたことが嬉しかったとのことでした。「困っているのは自分だけじゃない」「障害が違うと掃除で困ることも違う」など、気付きもいろいろあったようです。


今回寄せられた反響のうち、家族や親戚、職場、友人、近所の住人など身体に障害のある人が身近にいるケースは約4割にのぼりました。具体的な人をイメージした声が多い一方で、今後の障害者との接し方や声のかけ方の参考にしたいという意欲的な意見もあり、社会の多様性への受け止め方も変わってきている印象を受けました。

昨年の特集で取り上げたのは「掃除」という日常のごく一部です。本来は障害の種類や程度によって状況は様々で、読者からは「共感できる部分はあるが、まだ理解が不足している部分がある」「精神障害がある人は対象外なの?」といったご指摘もありました。足りない点はありますが、掃除という身近なテーマを扱うことで、身体に障害がある人の日常がイメージしやすく理解が深まったように思います。中には、誰もがストレスなく使用できるユニバーサルデザインの商品を期待する声も聞かれました。

まずは、少数派と思われる人たちに寄り添い、声を聴くこと。そしてその声を「知る」ことが、多様な人が暮らす社会を自分ごととして捉えるきっかけになると、皆さまの反響から改めて気付くことができました。これからも様々な暮らしや思いを皆さまと共有しながら、誰もがいきいき暮らす社会を一緒に考えていきたいと思います。

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