変わる家事意識、変わるくらし

~10年で義務感は薄れ、無理をしない家事へ~

家事を取り巻く10年の変化

この10年で、育児休暇制度やフレックスタイム、リモートワークの拡充が進み、女性が結婚や出産後も働きやすい環境が整ってきました。働く女性の数も増加しており、この10年間で40~50代では約175万人、60代以降でも約140万人増えています(総務省統計局「労働力調査」)。

働く女性は、出産や育児に加え、更年期の不調や子どもの巣立ち、介護といった様々なライフステージに伴う課題にも直面するようになり、家事代行やネットスーパーなどの各種家事サポートサービスが拡充されてきました。

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに反対する人は65%に達し(内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査(令和6年)」)、役割分担の意識も変化しています。男性の育児休暇取得率は3割を超え、保育園の送迎をする男性も珍しくなくなりました。

未婚者が結婚相手に求める条件として、男女ともに最も重視されるのは「人柄」で、次いで「家事・育児の能力や姿勢」、「自分の仕事への理解と協力」が続きます。相手の「家事・育児の能力や姿勢」は、男性の重視度が減少する一方で、女性では増加傾向で7割が重視しています(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」)。

家事の義務感は希薄化

家事に対する意識をみると「家事は手間ヒマがかかっても、きっちりやるべきだと思う​」や「家事や育児のためには、自分の自由な時間が犠牲になるのもやむを得ない」という考え方は、この10年で男女ともに10%以上減少しており、家事の義務感は薄れてきています。

一方、「家事は多少お金をかけても、時間や手間を軽減したい」という考え方は、20~30代では男女ともに増加傾向にあり、家事時間を短縮し、家事シェアにも役立つ家電を積極的に導入する傾向にあります。特に洗濯から乾燥まで行える「洗濯乾燥機」や「ロボット掃除機」、「電気料理器・圧力鍋」など家事を任せられる家電は、若い世代ほど利用が高まっています。

家事意識の変化のグラフ そう思う、ややそう思うの合計 「家事は手間ヒマがかかっても、きっちりやるべきだと思う」 女性2014年50% 2024年34%、男性2014年63% 2024年49%、「家事や育児のためには、自分の自由な時間が犠牲になるのもやむを得ない」 女性2014年68% 2024年52%、男性2014年64% 2024年54%、首都圏在住 20~60代既婚男女 1,796人(2014年)、1,811人(2024年) 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ

家事は多少お金をかけても、時間や手間を軽減したいのグラフ そう思う、ややそう思うの合計 2014年と2024年を比較 女性20~60代 2014年43% 2024年47%、以下年代別に20代 37% 59%、30代 46% 59%、40代 46% 48%、50代 40% 42%、60代 39% 38%、男性20~60代 2014年 41% 2024年44%、以下年代別に20代 39% 60%、30代 48%53%、40代 36% 47%、50代45% 39%、60代 38% 33% 首都圏在住 20~60代既婚男女 1,796人(2014年)、1,811人(2024年) 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ

変わる男性の家事意識、家事好き男性の増加

家事や育児の負担を減らすため、男女ともに家族で分担する意識は男女ともに高まっています。家事に費やす時間は女性の方が圧倒的に長いものの、この10年で女性は平日で17分、休日で10分短縮、逆に男性は平日で18分、休日で27分増えています。

平日と休日の家事時間の変化の表 既婚女性20~60代 平日2014年204分 2024年187分 差-17分、休日2014年222分 2024年214分 差-10分、既婚男性20~60代 平日2014年47分 2024年65分 差+18分、休日2014年90分 2024年117分 差+27分 首都圏在住 20~60代既婚男女 1,796人(2014年)、1,811人(2024年) 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ

男性の家事への向き合い方も、大きく変わってきています。男性の家事への関与が増えるなか、「自分は家事に向いている」と感じる男性はこの10年で増加し、特に20~40代では男性が女性を上回るようになりました。また、「家事には自分なりのやり方やこだわりがある」、「家事をすることで家族に喜ばれたい」と感じる男性も増えています。家事を好き・楽しいと感じる意識も広がっており、「洗濯物を洗う」(女性31%、男性18%)、「洗濯物を干す」(32%、19%)では、女性の方が高いものの、「食事の後片付け」(9%、21%)や、「ごみ出し」(7%、22%)、「部屋の掃除」(15%、25%)などでは、男性が女性を上回っています。この傾向は若い世代を中心に幅広い年代で見られます。

結婚したとき、料理以外は妻より経験値が高かった。「タスク」と思ってやっているが、ひとり暮らしの時からの掃除のやり方があり、きれいになると「爽快感」を感じる。(30代男性)

料理は得意だし好き、やったら意外と楽しい。掃除と洗濯は嫌いだし不得意、妻の指示に従っている。食器洗いは自分が担当、妻にはせめて食器は水につけておいて欲しい。(30代男性)

自分は家事に向いていると思うのグラフ 20代 女性40% 男性54%、以下女性、男性の順に 30代30% 43%、40代27% 37%、50代34% 31%、60代36% 24% 首都圏在住 20~60代既婚男女 1,811人(2024年) 2024年9月 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ

好き・楽しいと感じる家事の表 首都圏在住 20~60代既婚男女 1,811人(複数回答) 2024年9月 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ

楽に心地よく暮らすために、家事を見直す

家事の時短や負担軽減の実現には、家族での家事シェアだけでなく、便利な家事家電の導入、すすぎが1回で済む洗剤やこすらず汚れが落とせる洗剤などの利用、消耗品をネット定期便の購入に切り替える、外部サービスの利用など様々な方法があります。

また、家族がスムーズに家事に関わるためには、家事のやり方、道具や洗剤の収納方法なども含めてルールを設定したり、家事の動線などを見直して、ストレスなくできる仕組みを作ることも大切のようです。

新しいやり方やルールを取り入れる

洗濯は天候で左右されたくないので基本浴室乾燥、洗剤類はネットの定期便で届く。子どもの服は家事の動線をスムーズにするため、子ども部屋で干して収納へ。保育園に持って行く服は、子どもにたたませる。(30代女性)

使い勝手や家事の動線を考えて収納はブラッシュアップ、夫婦の予定はスケジュール共有アプリで細かく共有します。料理を作るのは主に私ですが、一緒に食事した時は100%夫が食器を洗い、洗濯も夫がいるときは任せている。(30代女性)

ロボット掃除機、家事サービス、クリーニングの宅配も利用し、片付けも掃除もルールを決めて家族で徹底し、なるべく家事をルーチン化している。お風呂掃除は最後に入る人がするルールなので、夫が掃除します。(30代女性)

子どもの成長や働き方、ライフステージに応じて、その方法や優先順位が変わるのは自然なことです。無理をして家事を頑張り続けるのではなく、節目ごとに見直すことが快適な生活を送るためのコツかもしれません。

ライフステージが変わるタイミングで見直す

2人目が生まれたときに産後うつっぽくなり、夫が出勤前と帰宅後に子どもの世話や家事をしてくれるようになった。今は休日の料理は全て夫が担当。(30代女性)

子どもが生まれて家事の時間がとれなくなって、家事のやり方も意識も変わり、時間をかけず、毎日するスタイルに。引っ越すたびにちょっとずつ、家事動線を自分のスタイルに合うようにしている。(30代女性)

以前から洗濯機を回して干すまで、洗濯魔の夫が担当だった。更年期不調もあって家事のやる気が出なくなった私を見かねて、今は食器も含め洗うのは夫、家の掃除が私の完全分業になった。(50代女性)


心地よく暮らすには家事は欠かせない要素です。ひとり暮らしやシェアハウスなど多様な暮らし方が広がるなか、どのような環境でも、便利な家電や道具、外部サービスをうまく活用し、家事の効率化や負担軽減を図り、時間と心にゆとりを持てるようにすることが大切です。自分に合った家事スタイルを見つけ、充実した日々を送れるようにしたいですね。

【調査概要】

「生活者の意識と行動に関するインターネット調査」
◎2024年5月/首都圏在住20~60代男女既婚男女 各500人

「生活者の暮らしに関わる意識と行動調査」
◎2014年9月、 2024年9月 /インターネット調査/首都圏在住20~60代既婚男女/2014年 1,796人、 2024年 1,811人

「健康と美容に関する意識実態調査」
◎2021年6~8月/オンラインインタビュー調査/首都圏在住40~50代有職女性/10人

「ミレニアル世代の家事調査」
◎2019年4〜8月/家庭訪問調査/20~30代既婚男女/ 8世帯

アンケートにお答えいただいた方の中から30名様にプレゼント! プレゼント品:バスマジックリン エアジェット ハーバルシトラスの香り[本体] クイックル ホームリセット 泡クリーナー[本体] 応募締め切り2025年5月12日(月)

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