My kao いい顔の、素顔。  エマール × BEAMS BEAMSデザイナー 水上路美さんと語る、“大切な一着”とのつきあい方

服を大切に着ることは、自分の物語を紡ぐこと。BEAMSデザイナー・水上路美さんと花王エマール担当が語る、服への思い(1)

「いい顔の、素顔。」は、様々な分野で活躍するゲストをお呼びし、毎日をいい顔で過ごすための工夫や考え方についてお伺いする特集です。株式会社AGRIKO所属のフリーアナウンサー・細田阿也がナビゲーターを務め、ゲストの知られざる素の一面を引き出していきます。
今回は、BEAMS COUTURE(ビームス クチュール)のデザイナーを務める水上路美さんをゲストにお招きしました。BEAMS COUTUREは主にデッドストック品をリメイクし、新たな一着として生まれ変わらせるという、大量生産型とは一線を画すブランドです。サステナブルな取り組みとして、注目を集めています。
そんな「大切に着続けたい一着」との向き合い方に共感し、花王でおしゃれ着用洗剤「エマール」のブランド担当を務める辻本光貴も対談に加わりました。服を長く楽しむためのコツやお手入れ方法について、お二人ならではの視点から語っていただきます。(この記事は2ページ構成です)

デッドストックをゼロにする、ビームスの挑戦

水上 路美(みずかみ ろみ)
2005年「Ray BEAMS」にデザイナーとして入社。2018年、本人が主体となって発足した「BEAMS COUTURE」のデザイナーに就任。BEAMSのデッドストックを再利用し、ハンドメイドアイテムをリリースするほか、創意あふれるクリエイティブを活かし、旭化成、DEAN&DELUCA、ORCIVAL、サンリオ、RURU MARY’Sなど多数の企業とコラボレーションしている。

細田
大量生産、大量消費の今の時代において、あえて一点物となるブランドBEAMS COUTUREを立ち上げたきっかけについて教えてください。

水上
以前は、Ray BEAMS(レイビームス)という若い女の子向けの、いわゆる大量生産のブランドをずっと手がけていました。どれだけたくさん作っても、お客様に届くのはたった1枚。だからこそ、もっと丁寧に心を込めて作っていきたいという気持ちがあって、Ray BEAMSを担当しながら別のブランドを立ち上げたいなと思ったのがきっかけです。
ビームスのデッドストックに関しては、二次流通としてアウトレットやセールで販売するなど様々な工夫があって、今は廃棄ゼロになっています。私たちもデザインをし直す、いわゆる「リデザイン」をして新しいものを生み出すことにチカラを入れています。

細田
新たに生まれ変わるというのは服が喜びそうですよね。「リデザイン」「リメイク」のように、「Re(リ)」であることがポイントだと思いましたが、BEAMS COUTUREに「Re」はつけず「COUTURE」というブランド名にしたのはなぜでしょうか。

水上
最初は「リビームス」という名前を考えました。ですが、私のリメイクの仕方は、もとのデザインを切り刻むことなく、そのまま生かして手を加えるようにしようと心がけています。「仕立て上げる」ということで「COUTURE」が合っていると思いました。

忘れられない記憶をデザインに込める

細田
辻本さんはBEAMS COUTUREの服をご覧になっていかがでしたか。

辻本
どれも素晴らしいなと思いました。もとの服をデザインされた方をリスペクトしつつ、そこにご自身の思いを乗せるのはバランスを取るのがかなり難しいだろうと思います。何か工夫というか、コツがあるのでしょうか?

水上
それが難しくて、大量生産のデザインの仕方とは全然違います。大量生産は1つデザインしたら何百枚もできるけど、リメイクだと作る枚数分だけデザインを考える作業が必要です。

細田
バランスとありましたが、アレンジの工夫はどんなところにありますか。

水上
ビームスのデッドストックはメンズが多いので、メンズの服を女の子が着られるようにかわいくしているのがデザインポイントです。

辻本
メンズの服を女性が着られるようにアレンジするという、境界を選ばない感じがすごくおもしろいです。男性だとか女性だとかではなくて、服を単純に愛しているからこそ、どういう服を作るとお客様が喜んでくれるのかという点にのみ集中して考えていったクリエイティビティに共感を抱きます。
私が開発改良している商品は多くのお客様に届けるものになりますが、それとは発想の仕方が違うなと思って聞いていました。

細田
水上さんの、服との出会いはいつですか?

水上
両親も服が好きでたまに手作りをしてくれたり、祖母も服に携わっていたりしたのでそういうのが影響しているかも。当時の思い出を大切に取っておきたいし、忘れられない服や記憶に残る服といったものをBEAMS COUTUREで手がけていきたいなと思っています。

洗うたびにカタチがキレイに! リニューアルしたエマール

辻本 光貴(つじもと こうき)
2015年に花王に入社。事業企画やデジタル領域でのマーケティング業務、自社・競合ブランドの調査などを経験し、現在はファブリックケア事業部でおしゃれ着用洗剤「エマール」を担当。

細田
長く使いたい服だからこそ、キレイに保管しておきたいものです。今回のエマールのリニューアルポイントをお聞かせください。

辻本
ポイントとしては、ハリ感チャージ成分を従来の2倍、配合させることによって、カタチコントロール技術とダメージリペア技術を両立させ、シルエットをキレイな状態で維持させることを目指しています。これまではニットのための洗剤と思われがちでしたが、今回のリニューアルを機に、Tシャツのようなカジュアルな服にももっと気軽に活用していただければと思っています。

水上
私は長年ニットデザイナーをしてきて、ニットはクリーニングに出すという概念があるから、自分で洗うことには抵抗がある方もいるかもしれません。でもエマールのおかげでメンテナンスが簡単になって、ニットを気軽に着られるようになると思うと、うれしいですね。それに、私は古着が好きで、新品のキレイな服も美しいけど、古着を見るとそれこそ何回も洗われてきたんだなと物語的なものを感じます。何回も洗われているということは、それだけ大切にされている服という感じがしてますます好きになります。

細田
私もニットや一点物を洗う時にはエマールという印象でしたが、Tシャツにエマールを使ったら色が白くなって、ハリ感が出てきて生地がよみがえったみたいです。

辻本
それはよかったです! お客様にインタビュー調査をした時、お気に入りの服がワンシーズンでダメになってしまうと残念に感じている方がいて。服への愛着がそれで薄れてしまうのはもったいないし、最初に服と出会った時のときめきを、洗濯で維持することができたらみんなハッピーになれるのでは?と思って、商品改良を進めていきました。

細田
愛着がある一着を自分でメンテナンスできるというのがいいですよね。

水上
自分で洗えるから愛着が増しますね。私は子どもがいて、1日2回は洗濯しなくてはいけないくらいの量が出ますので。普段の洗濯にこういった楽しみがあるといいですね。

細田
お子さんがいると洗濯の回数も増えますよね。そういうときに気持ちがよくなるというのはうれしいですね。
洗うたびにシルエットが回復するって画期的じゃないですか?

辻本
そこに注目していただけるのはうれしいですね。エマールは、服の繊維の外側をコーティングして摩擦を軽減し、内側からハリを戻すことで、服のシルエットをきれいに保ちます。
洗い方が大事で、通常のコースで洗濯してしまうとシワができてしまうので、おしゃれ着コースやドライコースなどの、弱水流のコースで洗うのがおすすめです。

水上
柔軟剤も使えますか?

辻本
はい、柔軟剤も大丈夫ですし、洗たく絵表示で、漂白剤を使用できるマークが衣類にあれば、ワイドハイターのような衣料用漂白剤も一緒に使えます。

服と共に受け継がれる大切な思い

ナビゲーター 細田阿也
東京都出身のフリーアナウンサー。中学の頃より始めた芸能活動を経て、裏方・仲介役に惹かれ、サッカーなどピッチリポーター、スポーツMC、ラジオパーソナリティ、ナレーターとして活動。パラレルキャリアとして、女優・小林涼子さんが代表を務め、桜新町・白金に農福連携FARMを運営する株式会社AGRIKOの戦略事業部として、地域のママさんが輝けるように繋ぐなど、リクルート役を務める。自身も春から大学生と小学生の兄弟の育児と仕事を両立しながら、日々奮闘中。

細田
ではここで、お二人の大切な一着についてのエピソードを伺えますか。

辻本
15年前、高3の時に買ったこのTシャツです。原宿でたまたま見かけたもので、手描きのような柄が入っていて、裏には人の顔。今はにじんで見えにくいですが、シリアルナンバーがプリントされています。何を思ったのかその場で手に取って、すぐに買った記憶が。多感だった頃の気持ちを忘れたくないのと、学生時代の思い出を捨てたくなくて、ライブに行く時など今でもたまに着ています。

細田
背中が天使の羽みたいで素敵なデザイン。それに、保管状態がいいですよね。ヨレたりしていなくてキレイです。

辻本
はい、エマールで洗っていますから(笑)。

細田
水上さんは和服ですか?

水上
昨年、子どもが七五三でした。どういう服を着せようか考えていた時、両家にたくさん着物が保管されていることを思い出しました。それらの着物を活用して1年かけて、子供用の着物としてリメイクしました。和装は慣れていないので、いろいろ調べたうえで、パターンから引いてすごく時間がかかってしまいましたが。
3歳の子が着た被布(ひふ)は、帯をリメイクしたものです。華やかなデザインを生かしたくて、柄の配置を考えながら作りました。生地がしっかりしているから、縫うのが大変でした。
5歳の子の袴(はかま)は帯を2本使っています。袴のパターンが難しくて、ちょっと苦戦しました。

細田
お子さんたちも喜んだのではないですか?

水上
はい、子どもたちも喜びましたし、両家の両親が「これ、おばあちゃんが着ていたよね」とうれしそうに話していて。

細田
1年かけて作られた甲斐がありますね。両家の思いを受け継いだ形になって、素敵です。

辻本
ストーリー性も感じますし、手縫いされたなんですごいですよね。

細田
私は、サッカー日本代表のユニフォームをアレンジした服を持ってきました。小学生の頃にJリーグが開幕してそれをきっかけにサッカーに夢中になり、日韓ワールドカップ(2002 FIFAワールドカップ)の頃にはサッカーの仕事に具体的に関わりたいと思い、事務所のパンフレットの撮影用に代官山のリメイクショップで見つけたこのTシャツで臨みました。これで撮った宣材写真を使っていたら、後にサッカーの仕事に導いてもらうことができたんです。大切に保管はしていていたのですが、先日、エマールで洗ったら青みが復活して。いい具合にシャリ感も出てきたから、再び着られたらいいなと思いました。

辻本
夢に対する決意と、チャンスをつかんでいった人生のステップを感じるような、そんな一着なんですね。大切にしたい思いは一生続いていくんだなと感じました。

細田
はい。服って持ち主のストーリーが詰まっていますよね。人生の節目節目に支えてもらっているから、これからも大切にしていきたいです。

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