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CO2を減らすためにも、何とかしてより少ないトラックの台数で多くの製品を運搬したい。その課題を解決するのに、着目したのが段ボールでした。しかし、ただ段ボールを薄くするだけでは、物流の工程で製品が破損してしまう可能性もあります。薄さと強さの両立を叶える段ボールの研究が進められていきました。
このブースに来れば、製品が私たちの手元にどのような経緯で届けられるのかがわかります。
段ボールにおけるさまざまな工夫も、ひと目でわかるように展示されています。
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できるだけ多くの製品を、効率良く積める工夫がほしい。それは、安全性をしっかりと確保したうえで、製品自体のパッケージを小さくしたり、段ボールを薄くしたりと、削れるところを削りこみ、段ボールに入れる量やトラックに積める量を増やすことへの挑戦でもありました。
厚さ5mmの段ボールのケースを4mm、あるいは3mmにする。
製品によっては、段ボールのケースに窓を開けることで、必要な段ボールの量を減らしていく。中が見えるというメリットも。
液体のつめかえ用は、縦に入れるのではなく横にねかせて重ねながら詰めていくことで、詰める量を増やす。
以上のような努力を重ねた結果、トラックにそれまで3段しか積めなかった段ボールのケースは4段積めるようになり、100台必要だったトラックは、80台ですむようになったのです。単純計算にして、CO2の20%カットになります。また、これらのアイデアは、運搬の効率化を促すだけではなく、陳列作業の効率化や、ディスプレイ効果の向上にも役立っています。
私たちは、長距離輸送における環境負荷を低減するため、1980年代からモーダルシフトにも取り組んでいます。「モーダルシフト」とは、長距離輸送の手段を、トラック輸送だけでなく、鉄道や船舶などと組み合わせて輸送の効率化をはかることです。たとえば、500km以上の長距離輸送におけるCO2の排出量は、トラックで輸送する場合に比べて、鉄道では約1/7、船舶では約1/4に低減することができるのです。
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これらは決して、花王の努力だけで実現したものではありません。この運搬に関する取り組みは、容器包装メーカーや運搬会社など、ビジネスパートナーの皆さんの協力がなければ実現することはできませんでした。たとえば、関東⇔中部間の輸送においては、異種業界の会社の協力を得て、ドライバーの業務効率を改善することができました。関東と中部から両者のトラックが、それぞれの自社製品を運び、静岡県内の中継地点でトレーラーを交換。受け取った積荷を相手企業の配送先へ輸送するというしくみです。
これにより、積荷を下ろしたトラックが空で戻って来るという無駄が省けることになりました。
運搬によるCO2削減への努力はこれからも続きます。
花王製品は、花王の掲げる「よきモノづくり」に賛同してくださる多くのビジネスパートナーの皆さまとの連携によってつくられており、エコ活動に関しても、ともに取り組んでいただいています。花王のエコ活動を支えるスピリットの中に「いっしょにeco」という考え方があります。運搬の効率化は、まさに「ビジネスパートナーといっしょにeco」を実現したものなのです。