※花王公式noteより
こんにちは!花王公式note編集部です。
みなさんは日やけ止めを選ぶとき、何を重視しますか? 高い紫外線防御効果、それとも軽い使い心地? 花王のビオレUVは、その両方を叶えます。すーっと伸びて、軽くてみずみずしいのに、ムラなくプロテクト!
その両立の背景には、研究員たちの試行錯誤と挑戦の日々がありました。今回は、開発の最前線に立ったスキンケア研究所室長の福井研究員にインタビュー。「軽いのに焼けにくい」はどうやって生まれたのか、その舞台裏に迫ります。
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<プロフィール>
福井 崇(ふくい・たかし)
花王 スキンケア研究所 室長
2006年、花王に中途入社。化粧品の素材研究を担当したのち、ビオレUVをはじめ、キュレル、ALLIEなど、花王グループの日やけ止め商品開発研究に18年従事。自分が使いたいと思える日やけ止めを開発したい!と挑戦を続けている。
——みずみずしい使用感と強力な紫外線カットの両立は難しいことなんですか?
福井:両立は意外と難しいことなんです。日やけ止めにいちばん求められるのは、当然ですが、日やけを防ぐことです。しかしお客さまからは、「日やけ止めを塗ったはずなのに日やけした」「SPF値が高くても、紫外線の影響を受けることがある」そんな声が一定数上がってきていました。また、調査をすると、「ベタつくのがイヤ」という使用感のご不満も多かったんです。いくらUVカット力の高い商品を開発しても、使ってもらえなければ、お客さまの日やけを防ぐことはできません。ですから、使い心地のよさはゆずれない大切な要素。「日やけを防ぐ効果が高く、なおかつ使用感が心地よい」そんな商品をお客さまに届けることを使命としてこだわり続けています。
——SPFの値は高く出ているのに、なぜ日やけするんですか?
福井:その理由がわからなかったので、まずは日やけ止めを塗って紫外線を当てたときに、肌の上で何が起きているのかを調べることにしました。開発を始めた2011年当時は日やけ止めの塗膜を観察するための装置がなかったので、他部署と協働して「UVカメラ」や「UV顕微鏡」を開発するところから始めたんですよ。
——えっ、観察装置を作るところからですか?
福井:はい。紫外線の光は目に見えないので、肌の上でどう影響するのか、それまで観察する手段がなかったんです。装置の開発だけで、約5年を要しました。
リアルタイムにどこに日やけ止めが塗られているかを可視化する「UVカメラ」(左)と、肌を拡大して日やけ止めがどこについているかを可視化する「UV顕微鏡」(右)を独自開発。
——独自開発した「UVカメラ」や「UV顕微鏡」で観察した結果、どんな発見があったのでしょうか?
福井:肌にはこまかな凹凸があるのですが、日やけ止めを塗ると、ミクロのすき間(塗りムラ)ができていたことがわかりました。日やけ止めがついている部分は焼けませんが、すき間になっているところは焼ける。これを防ぐためには、すき間をつくらずに、肌の上に均一に日やけ止めの膜をのせる必要があります。ただ、すき間を埋めるために紫外線防御剤をたくさん入れると、油分が多くなってベタつくし、白浮きしてしまう……。どうしたらみずみずしい感触を損なわずにすき間を埋められるのかが大きな課題でした。
肌を拡大して日やけ止めがどこについているかを可視化したところ、ミクロレベルですき間があることがわかった。赤いところがすき間になって日やけ止めがついていない部分。
——なるほど。それが両立の難しさなんですね!
——その解決の糸口となったのは、何だったのでしょうか?
福井:カプセル技術です。紫外線防御剤を内包したミクロのカプセルが、肌の上に広がり、すき間を埋めることで、均一な塗膜が形成されます。なおかつ、肌の上にしっかりとどまるので効果が長続きします。もともと花王の他の研究所が開発した技術でしたが、日やけ止めに使えるよう研究を重ね、2019年発売の「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス」に搭載しました。実は、この頃、商品開発の研究所だけではなく、素材研究や加工技術、構造解析など複数の研究所を横断して研究員が集まり、日やけ止め開発のプロジェクトチームを結成していたんです。多様な知見を持ったメンバーが集結し、技術を共有できたことが、開発の成功に直結しました。
——プロジェクトチームを率いる上で、福井さんが大切にしたことは何ですか?
福井:大切にしたのは、メンバーの自発性を促すことです。「この知見を応用してみたらどうだろう」「あのやり方もいいかも」というように、気づきやヒントになるような言葉を諦めずにかけ続けました。使い心地も日やけしない効果もどちらも妥協しないという高い目標はぶらさずに、メンバーと何度も対話を重ね、視点を変えながら研究を継続。「いろんな人の意見を聞いてつなげる」「ひとつの形にまとめあげていく」など、積極的にチームをコーディネートすることで、開発の成功に貢献することができました。
——ビオレUVシリーズは、どんな進化を続けているんですか?
福井: 2019年のカプセル技術開発以降も、外出先の塗り直しにも便利なミストタイプや、ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)でも紫外線防御効果が高く使い心地のよい日やけ止めなど、毎日使うものだから、誰にとっても心地よいものを——。そんな想いで開発を続けています。
——ビオレUVは、訪日外国人の間でも人気があるようですね。
福井:瞬時になじむ軽やかな使い心地が、驚きを持って受け入れられているのだと思います。というのも、欧米などでは、重い塗り心地のベタつく商品が多いからです。日やけ止めは医薬品として分類されている国もあり、日本のように、日常使いするものではないんですね。「海に行くときなどに、オケージョナルで使うもの」と捉えられているのかもしれません。しかし今、とくに若い人たちの間では「UVケアは毎日するもの」と意識が変わってきています。そうなると、日本と同じで、ベタつくのはイヤ。やはり、使い心地がいいものが好まれるんですよね。
——海外でもすでに販売は始まっていますね。
福井:日やけ止めは、使用する原料や生産設備など国ごとにさまざまな規制があります。それを乗り越えて、27の国と地域で販売*しています。使い心地のよさと焼けにくいを両立するビオレUVをより多くの方に使っていただいて、世界中の方の肌を守りたいですね。
* 2024年12月時点
——福井さんが、今後めざしていることは何でしょうか?
福井:まだ、みなさんの心のどこかに「日やけ止めは塗りたくないけれど、しかたなく塗る」という感覚があるのではないでしょうか。私はそれを「塗りたい!」に変えていきたい。化粧水や乳液と同じように、スキンケアの中に入り込み、「使って当然」「使ったほうが心地いい」そういう感覚のものにしていきたいですね。
——現在のビオレUVは、すでに完成形のようにも思えますが、福井さんのなかではまだまだ先に見据えている展開があるのですね。
福井:できることが、ほかにもたくさんあるような気がしています。たとえば、日やけ止めを塗ることがもっと楽にできたら、こまめに塗り直してもらえるのではないかとか。また、紫外線だけでなく、外出中には乾燥、汚れ、汗などさまざまな外的因子が影響しているので、そのような影響から肌を守ることができたらいいなとか。お客さまの「これがあったらうれしいよね」を生み出し、生活の質を高めていく。そんなことを、研究員としてめざしています。
「塗りたくないけれど、しかたなく塗る」から「塗りたい!」への転換をめざすという福井さんの言葉には、ご自身も日やけ止めを塗るのが面倒だと感じた経験があったからだそう。観察装置まで開発する研究の奥深さや、妥協しない研究の積み重ねが、ビオレUVが多くの方にご愛用いただいている理由なのだと感じました。多くの種類があるので、皆さんの生活に合った日やけ止めを見つけて、紫外線から肌を守っていただきたいです!
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