【職場のヒーローたち】花王ヘアケア復活を支えたブランドマネジャーに迫る

花王で活躍する社員にフォーカスしたシリーズ【職場のヒーローたち】の第2回をお届けします。今回は、国内インバスヘアケアカテゴリーにて、ブランドマネジャーとしてマーケティングに従事する野原聡さんです。

愛称“のっち”で親しまれている野原さんは、『エッセンシャル』『メリット』『セグレタ』『メルト』『ジアンサー』『ミーミーミー』と6つのブランドをプロデュース・マネジメントしています。2006年に入社し、『アタック』のマーケティングや中国市場でのデジタルマーケティングを担当した後、現在のヘアケアブランドマネジャーに着任しました。マーケターとしての想いやマインドセットなどをインタビューしています。

野原 聡  花王株式会社  ヘアケア第一事業部  ブランドマネージャー  2006年 入社  アタックのマーケティング、営業を担当  花王中国でデジタル・ECを中心としたマーケティングを経験(3年間)  現在  ブランドマネージャーとして  国内インバスヘアケアカテゴリー  (メルト、エッセンシャル、メリット、セグレタなど)  マーケティングに従事

ヘアケア事業変革ポイント「感性マーケティング」「スクラム開発体制」

2024年、花王は「髪の生きる力を、人の生きる力へ」を掲げ、ヘアケア事業変革に踏み切りました。その舵取りをしたのが野原さんです。事業変革にあたり野原さんが大切にしてきたことはどんなことだったのでしょうか。

「生活者がパッケージや広告を見たり商品を使ったりした時に、感情が揺さぶられるような価値創造をしたいです。ただ髪が美しくなるだけではなく、その先にある生活者の気持ちに寄り添ってブランドづくりをしてきました」(野原さん)

野原さんが行ってきたヘアケア事業変革では、大きく2つのポイントがあります。それは「感性マーケティング」と「スクラム開発体制」です。

■ポイント1:感性マーケティングとは?

「生活者がブランドに触れた時にどんな感情になるのか、特定の感情を設定して、そこにブランドすべての体験が向くように設計しました」(野原さん)

以下が、野原さんが設計した花王ヘアケアブランドのポートフォリオ、通称「感情マップ」です。

「例えば、メリットではナチュラルなオレンジ色の感情を設定しています。メリットはもともと『家族シャンプー』でしたが、家族“愛”にフォーカスしてリブランディングしました。家族での使いやすさも大事ですが、それ以上にメリットのシャンプーを使った先にある感情を大切にしながら表現しています」(野原さん)

『メリット』では、“遠くまで行ってほしいし、ずっと近くにいてほしい。”や、“最終回は気づかないうちに終わっていく。”というコピーと共に、子育てにおいて親が感じる複雑な感情を表現した広告がSNSを中心に話題となりました。

「育児は気がつかないうちに終わっていくものです。子どもはいろんなことができるようになっていきますよね。できるまでは親が手伝うけれども、できてしまうと親が手伝えなくなってしまう。子どもの成長は嬉しいけれども、そこに少し寂しさを感じる。そういった愛を感じる場面を意識して、家族“愛”を表現しました」(野原さん)

■ポイント2:スクラム開発体制とは?

ヘアケア事業変革のもう1つのポイント「スクラム開発体制」とはどんな体制なのでしょうか。

「マーケティング・広告・研究開発など、いろんな部門が一堂に会して仕事をする体制です。今まではリレー型で、マーケティング部門は各々の部門にオリエンテーションをして受発注関係で仕事をしていました。そういったやり方は廃止し、全員が1つ1つのコンセプトやパッケージ・処方など、ブランドに関わるすべてを議論しながら作っていく新たな体制に切り替えました。そうすることで、関連部門のすべての人がブランドに対しての熱意や想いが強くなっていく——。つまりモチベーションが上がっていき、かつ、自分ごと化しながら仕事ができる体制です」(野原さん)

加えて、野原さんはスクラム開発体制の良いところを「失敗してもいいこと」だと語ります。チャレンジすることが大切で、失敗してもみんなで補って学ぶ。誰かのせいにするのではなく、みんなの問題として対処できることがスクラム開発体制の強みなのです。

スクラムチームメンバーからみた野原さんの印象は「いつもスタッフにわくわくを与え続けてくれる」

スクラム開発体制を組んでから新たに生まれたブランドが『メルト』と『ジアンサー』です。

『メルト』クリエイティブディレクターを務めるWAVDSGN嶋田真之介さんに野原さんの印象を聞いてみました。

「野原さんは右脳と左脳のバランスが完璧なマーケターです。いつもスタッフにわくわくを与え続けています。良い意味でミーハー、良い意味でカルチャーオタク。ゴールがはっきりしていて太い道を作ってくれるので、僕らはそこで遊べます。良い意味で乗せられていますね(笑)」(『メルト』クリエイティブディレクター嶋田さん)

経験をもとに新たに誕生した『ME ME ME(ミーミーミー)』

『メルト』と『ジアンサー』の経験をもとに、もう1つ新たに誕生したブランドが『ミーミーミー』です。

「『ミーミーミー』はエナジックな感情を湧き起こしたいと考えています。自分が奮い立ち燃え上がるような感情になってほしい。シャンプーを使って髪が美しくなるだけでなく、『気分が上がるな』とか『頑張って仕事しよう』と思っていただけるブランドでありたいです。私(ME/ミー)自身をブーストする意味で『ミーミーミー』と名付けました」(野原さん)

野原さん曰く『メルト』や『ジアンサー』を作るなかで、マーケティングや生産など、モノづくりに関わる過程などにさまざまな失敗があったようですが、『ミーミーミー』はその失敗から学んで作られました。特にSNSマーケティングやコミュニケーション設計において活かされているようです。

チームを応援し、整備する役割

マーケティングと言ってもその仕事はさまざま。仕事におけるアイデアはどのようにして生み出しているのでしょうか。

「一人で悶々と考えているわけではなく、メンバーや社外の人、仕事とは関係のない方たちとコミュニケーションを図るなかで思いつくことがあります。でも僕は、どちらかというとメンターとして機能しています。作っているのはメンバーでありチームです。僕はブランドに向き合っているチームを応援して整備していく役割。そこに自分の力点を置いています」(野原さん)

コミュニケーションを大切にしているという野原さん。もう一人、チームメンバー『ジアンサー』マーケティング担当の君島さんにも野原さんの印象を聞いてみました。

■野原さんは人が好きな人

「野原さんは基本、席にいないですね(笑)。常に社内外の人と話していて人脈もすごいです。でもメンバーのこともきちんと見てくれていて、担当の想いや個性を何より大切にしてくれるので『頑張ろう』と思えます。ブランドはもちろん、人が好きなんだと思います」(『ジアンサー』マーケティング担当 君島さん)

マーケティングとは「わくわく」である

野原さんは、マーケターとしてリーダシップを大切にしていると語ります。

「マーケティングはクリエイティビティーに加えて論理的に構成する能力も必要ですけれど、何より人と仕事をしているので、リーダーシップが大切です。リーダーシップは成果をリードすることであり、チームをリードすることでもある。そのためには自分をリードしなければなりません。メンバーには『全員がリーダーシップを持ってモチベーションを上げて、自分ごと化してチームを動かそう』と話すことが多々あります」(野原さん)

最後に、野原さんにとって「マーケティングとは?」を一言で表してもらいました。

「マーケティングとは『わくわく』です。マーケティングの仕事を通じて生活者のみなさんが感動してくれたり驚いてくれたり、そういった『わくわく』を作るために私自身もチームも『わくわく』しながら仕事しています」(野原さん)

野原さんたちが「わくわく」しながら作ったヘアケアブランドたち——。みなさんに「わくわく」しながら使っていただけたら嬉しく思います。

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