「オフィス」でも「工場」でも! 生理の不安を解消したい

今すぐできる福利厚生「職場のロリエ」湖池屋さんの取り組み

※花王公式noteより

生理のときも、働きやすい職場をめざして——。そんな想いから始まった、「職場のロリエ」。企業の福利厚生の一環として、トイレットペーパーと同じように、職場のトイレにナプキンを備品として設置することを推進するプロジェクトです。発足からわずか3年で、賛同の輪は300を超える企業に広がっています(2024年12月末時点)。
 
今回は、総合スナックメーカー・湖池屋さんを訪問し、人事部の生野さんと、関東工場総務課の大野さんにお話をうかがいました。「職場のロリエ」を導入するにあたり、本社や支店などの「オフィス」と、生産ラインのある「工場」で、どんな課題が生じ、どう乗り越えたのか。さらに、湖池屋さんの営業担当の花王グループカスタマーマーケティング是本が、導入サポートについてお伝えします。

「備えつけがあると安心!」ある日のひらめきから、取り組みがスタート

左から、株式会社湖池屋の生野さん、大野さん、花王グループカスタマーマーケティング 是本

<プロフィール>

生野 悠子(しょうの・ゆうこ)さん
株式会社湖池屋 人事総務本部 人事部 組織風土デザイン課 所属
管理部、生産物流業務課、マーケティング部、人事部人事課を経て、現職。

大野 茜(おおの・あかね)さん
株式会社湖池屋 生産本部 生産統括部 関東工場 総務課 所属
関東工場生産課を経て、現職。

是本 真紀歩(これもと・まきほ)
花王グループカスタマーマーケティング株式会社 ビジネス開発部門 所属
「環境」「美」「健康」「衛生」をテーマに、SDGsの観点で社会貢献をめざす活動を企業と取り組む。

——最初に、「職場のロリエ」を導入したきっかけを教えてください。

生野さん:ある日、百貨店でトイレに入ったときに、ナプキンを無償で提供するディスペンサーを見たのがきっかけです。生理が予定外のタイミングで始まったときに、ナプキンの持ち合わせがなくて困ることって、ありますよね。仕事をしていると、会議が長引いて、ナプキンを買いに行けないこともあります。そんな緊急のときに、会社のトイレにも備えつけのナプキンがあるといいなと思いました。

大野さん:生野さんから話を聞いて、工場にこそ必要だと感じました。工場の生産ラインには、衛生上の観点から私物を持ち込めません。限られた休憩時間の中で、ナプキンを取りにロッカーまで戻るのも大変で、出入りのたびに粘着ローラーやエアシャワーなどで清潔に保つ必要があります。制服が白いので、急な生理のときや量が多い日は、制服が汚れていないか不安になる従業員もいると思います。

生野さん:ただ、弊社にとって、工事が必要なディスペンサーの設置は現実的ではありませんでした。もっと手軽にナプキンを置ける方法があれば——。そう考えていたときに知ったのが、花王さんの「職場のロリエ」です。

無償で提供されるボックスを、トイレの洗面台にポンッと置くだけでいい。しかも、ボックスは、花王さんが全国の支店や工場に発送してくださる。それなら、気軽に導入できそうだなと思ったんです。教えてくれたのは、先んじて導入していた日清食品グループの日清食品HDと日清シスコの担当者でした。

成増本社のトイレ

経営層の賛同を得るために、他社の事例を参考にプレゼン

——導入に向けて、何か課題はありましたか?

生野さん:経営層に納得してもらうにはどうするかが、一番の課題でした。「なぜ福利厚生の一環としてやる必要があるのか」「ナプキンを自分で用意するのは当たり前では?」と問われたときに、うまく答えられなくて。

大野さん:工場でも、上長から「そこまでやる必要があるの?」という声は上がりました。

是本:湖池屋さんからご相談を受け、花王からは、他の企業における導入決定までの経緯などを共有させていただきました。導入企業が増えたことで、さまざまなご相談に対するご提案ができるようになってきました。

生野さん:お話をうかがったことで、経営層を説得するヒントが得られました。

経営層の多くは男性で、疑問の声が上がるのは、生理の知識が少ないからかもしれません。そこで、生理には緊急のタイミングがあること、特に工場では、安心して働くためにナプキンの備品化が必須であることを力説しました。

さらに、花王さんと相談して、本社で1カ月、工場で2カ月のテスト設置と、その後の従業員へのアンケート調査を実施。説得力のあるデータを得ることができました。情報がそろうと、賛同を得るまでに時間はかかりませんでしたね。

生理を語ることはタブーではない。社員からポジティブな意見が続々と

——テスト設置時のアンケート調査からは、従業員のどんな声が聞かれましたか?

生野さん:男女ともに好意的な受け止めが多く、90%以上が「賛同する」「継続してほしい」と答えてくれました。

女性からの好反応はある程度予想していたのですが、男性からも「働きやすい環境づくりのために、生理を理解するのは当たり前のことだと感じた」「大変さを深く理解できていなかったので、生理に関する取り組みがオープンに実施されて良かった」など、ポジティブな声が上がったのはうれしい驚きでした。

——導入後の反響はどうですか?

生野さん:「すごく助かる」「万が一のときの備えがあるのは、とても安心」「会社から大切にされていると感じる」といった声が多いです。「不正出血があったときに助かった」という声もありました。

大野さん:特に工場では、「ロッカーに戻る手間が省けて、助かった」「心の余裕につながった」といった声が多いです。

生野さん:以前は、生理について語ることはタブー視されがちでしたが、今は生理についての理解が進み、生理中の従業員に“体調面の気遣い”をみせる機会が増えました。

大野さん:導入前、「ナプキンを全部持っていかれたらどうしよう」と心配する声もありましたが、そのような事態は起こりませんでした。常にトイレに置いてあることが当たり前になれば、持ち出してストックする必要はありませんよね。

工場には外国人従業員もいるので、洗面台に置いてあるボックスの説明文には、ベトナム語、中国語、英語など、複数の言語を記載し、誰にでもわかりやすいよう配慮しています。

左から、関東工場、京都工場のトイレに設置されている「職場のロリエ」

安心して働ける職場をめざしたい

——今後、働きやすい職場をどのように広げていきたいとお考えでしょうか。

生野さん:全国の支店や工場にヒアリングをし、各現場で「職場のロリエ」の運用面で課題があれば、改善していきたいです。

大野さん:企業という組織では、上長が男性であるケースがまだまだ多いと思います。特に工場ではそれが顕著です。しかし、生理のことを安心して言葉にできる環境をつくれたら、働きやすいと感じる人も増えるはず。そんな環境づくりを始めていけたらと思っています。

是本:「職場のロリエ」の取り組みには、ナプキンの備品化と、研修動画の視聴という2つがあります。湖池屋さんには、ぜひ研修動画もご活用いただき、さらなる生理の理解を促進していただけたらと思っています。

生野さん:また、個人的にも、機会があれば「職場のロリエ」を発信していきたいですね。先日、フェムテックのセミナーに参加したのですが、企業のダイバーシティ担当者や人事担当者に紹介したら、皆さん大いに関心を持たれたようでした。

是本:有難うございます!私たち花王としては、導入企業を増やすことで、ナプキンの備品化を世の中の“当たり前ごと化”していきたい——。一人でも多くの人が働きやすい社会をつくることに貢献できればと願っています。

<取材にご協力いただいた皆さま>

左から、株式会社湖池屋 生産本部 生産統括部 京都工場 総務課 辻 捺星さん、
生産本部 生産統括部 九州阿蘇工場 総務課 小畑 愛子さん、
人事総務本部 総務部 総務課 梶原 万穂さん

編集後記

衛生管理の厳しい工場ならではの困りごとに向き合い、ナプキンの備品化にとどまらず、「生理」についてオープンに語れる環境づくりをしようと力強く推進される姿に、胸が熱くなりました。「職場のロリエ」をきっかけのひとつとし、心に余裕をもてる働きやすい職場が広がるとうれしいです。
 
◆職場のロリエサイト
https://www.kao.co.jp/laurier/project/shokuba/
 
◆そのほかの導入事例:アツギ株式会社様https://note.kao.co.jp/n/nd4953c59f00d

◆そのほかの導入事例:株式会社大林組様https://note.kao.co.jp/n/na556324f651e
 
◆「職場のロリエ」を担当する若手社員の想いhttps://note.kao.co.jp/n/nbde3009253c3
 
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