
※花王公式noteより
急に生理がきても、安心して過ごせる職場やオフィス、学校をめざして—。そんな想いから始まった、日本初*1の生理用ナプキン備品化プロジェクト「職場のロリエ」と「学校のロリエ」。2022年からスタートし、その賛同の輪は企業だけでなく、小中学校、高校、大学、専門学校へと拡がっています。2025年9月には「職場のロリエ」「学校のロリエ」を合わせて、導入数が500件*2を突破しました!
導入校のうちのひとつ、千葉県にある私立中高一貫校の二松学舎大学附属柏中学・高等学校では、2025年3月、生徒会のメンバーが主導して「学校のロリエ」の運用をスタート。今回は、その生徒会メンバーを直撃し、学校でのナプキン備品化への熱い想いを語ってもらいました。導入に至るまでの舞台裏と、未来への展望をお届けします。
INDEX

<プロフィール>
黒澤(くろさわ)さん (写真左)
二松学舎大学附属柏高等学校 3年
第55期 生徒会メンバー
発起人をサポートしプロジェクトを推進。
亀岡(かめおか)さん (写真中央)
二松学舎大学附属柏高等学校 3年
第55期 生徒会メンバー
ナプキン備品化プロジェクトの発起人。
植田(うえだ)さん (写真右)
二松学舎大学附属柏高等学校 2年
第55期・56期 生徒会メンバー
今年2025年度も生徒会で、プロジェクトを推進。

<プロフィール>
黒澤(くろさわ)先生 (写真左)
二松学舎大学附属柏中学・高等学校 教諭(生徒会顧問)
田村 優樹(たむら・まさき) (写真右)
花王株式会社 サニタリー事業部ロリエのマーケティングを担当
——そもそも、なぜ学校のトイレで「ナプキンを備品化しよう」と思ったのですか?
亀岡さん:きっかけは、大学が主催する公開講座に行った際、トイレの個室にナプキンが置いてあるのを見たことでした。こんなふうにナプキンが置いてあったら、急に生理がきたときや、ナプキンの持ち合わせがたりないときに、安心だなって。「私たちの学校にも、あったらいいな」と思いました。
——「あったらいいな!」と思ったのはどうしてでしょうか?
亀岡さん:うちの学校では、保健室でナプキンをもらうことができるんです。けれど、学校の敷地がとても広いので、授業の合間の10分の休み時間に取りに行くには遠い教室もあって。保健室に行かずに、トイレで友だちからナプキンを借りる生徒の姿をよく目にしました。

「学校のロリエ」の導入に取り組んだ生徒会のメンバー
黒澤さん:トイレで生理に気づいたときって、ナプキンを取りに教室へ戻って、またトイレに行かないといけないじゃないですか。トイレに何度も行くのって、周りの目が気になるし…。
——そんな中で、生徒会による「ナプキン備品化」に向けた活動が始まったのですね。
植田さん:はい。当時の生徒会メンバーは8人中3人が男子生徒でしたが、生理やナプキンについてみんなでオープンに話し合いながら情報収集を進めました。
——「学校のロリエ」は、どんな経緯で知ってくださったのですか?
亀岡さん:困っているときに、「助かる!」と感じてもらいたかったので、ナプキンをいつでも手にできるようなカタチを考えていました。たくさん調べて、「学校のロリエ」にたどり着いたんです。しっかりサポートしていただけそうだし、導入事例も多い。「これはいけるかもしれない!」とワクワクしながら、生徒会顧問の先生に頼んで花王さんに連絡してもらいました。

——お問い合わせを受け、花王の担当者が学校を訪問しましたね。その際、みなさんも同席なさったんですか?
黒澤さん:はい。先生と一緒に花王さんのお話を伺いました。そのときにいただいた資料の中に、「学校のロリエ」を導入している他校の取り組み事例があったので、とても参考になりました。先生に、教員会議にかけてもらうため、メンバーみんなで企画書を作成しました。
——「学校のロリエ」の導入に至るまで、黒澤先生は校内をどのように説得なさったのでしょうか?

生徒会メンバーの熱い想いを後押しした顧問の黒澤先生
生徒会顧問・黒澤先生:学校には、そもそも生徒たちの自主性をサポートする校風があります。生徒会のメンバーが成し遂げたい想い(公約)を、具現化できるように顧問としてフォローしたいと思っていました。その一環で、生徒会メンバーが作った企画書を、教員会議にかけさせていただきました。反対意見は出ませんでしたが、懸案事項となったのは、費用面と、補充を誰がするのかという点です。
結果的に、保健室に常備している怪我時などの処置をする薬品やナプキンの予算の一部をあてることになりました。また、補充に関しては、清掃員の方にお願いすることになりました。
花王・田村:花王からは事前に、「緊急時に使用する場合」の費用シミュレーションをご提示していました。また、補充に関しては、導入済みの学校・企業の事例を共有させていただきました。
——導入にあたり、大変だったことは?
黒澤さん:「学校のロリエ」は、“いざ”というときのためのものですが、ナプキン数量をシミュレーションするにあたり、ナプキンを緊急時以外や予備として持っていってしまうこともあるなと思いました。そこで、生徒会メンバーで話し合って、いただいた資料内にあった他校の事例を参考にしながら、「緊急時用の生理用品です。お気軽にご利用ください。」と書いたステッカーを作ることにしました。
植田さん:ステッカーは、運用開始と同時に、ナプキンを入れるボックスのふたに貼ることにしました。

生徒会メンバーによって制作されたステッカー
※2025年5月から専用BOXのデザインが変更になっております(写真は旧デザイン)。
亀岡さん:その結果、運用はスムーズに進んでいて、みんな、自分が困ったときだけ使ってくれています。ステッカーの効果があったみたい。
黒澤さん:ボックスが個室内ではなく、洗面台に置いてあるのもポイントかもしれません。

ボックスが設置されているトイレの洗面台
※2025年5月から専用BOXのデザインが変更になっております(写真は旧デザイン)。
——2025年3月に導入してから、周囲からは、どんな反響がありましたか?
亀岡さん:「保健室にわざわざ取りに行かずに済むようになった」「助かった、ありがとう」って言われます。頑張った甲斐がありました!

植田さん:文化祭を実施したとき、生徒と保護者が学校のトイレの中で、「学校のロリエ」のボックスを見ながら、「こういう取り組みやっているの、すごくいいよね」と、話しているのが聞こえて。すごくうれしかったです。これって、「学校の評判にもつながる取り組みなんだ!」という発見になりました。
——「学校のロリエ」の導入を成功させたことで、みなさんの心境にも変化があったのでは?
亀岡さん:生徒会に入って初めてプロジェクトを成功させることができて、自信がつきました。メンバーで助け合ったことで、チームワークの大切さも実感!大変でしたが、充実している感覚があって楽しかったです。
黒澤さん:学校で、勉強以外にも生理のことを気にかけないといけない日もあったりすると思うんです。それもあって、「学校のロリエ」を通して、勉強に集中できる環境をつくれたと思います。

植田さん:今回の取り組みをとおし、私は「想いは実現させることができる」ということを学びました。もっと過ごしやすい学校にするために、これからも生徒会の活動に前向きに取り組んでいきたいです。
——亀岡さんと黒澤さんは来年の3月には卒業ですが、「学校のロリエ」を後輩たちに引き継ぐ想いをお聞かせください。
黒澤さん:実は今のところ、ナプキンが入ったボックスを設置しているのは、各校舎に1カ所ずつ。ただ、本当は「すぐに手に取れる」ことが大事だし、「置いてある」という事実が安心感につながるので、すべてのトイレに設置してあるのが理想です。現在、設置していないトイレには、設置しているトイレの場所を示したポスターを掲出しているのですが、後輩たちには、設置場所の拡大を検討してもらえれば、と思います。
亀岡さん:私も同感です。いつか母校に戻ってきたときに、今よりもっと手に取りやすくなっていたら、感動しちゃうなぁ(笑)。

——先輩たちの声を受けて、植田さんはどう感じますか?
植田さん:私もすべてのトイレに設置したほうがいいと考えています。ただ、費用の面や、補充をしてくださる清掃員の方の負担が増えてしまうことへの懸念があるので、メリットとデメリットを今年の生徒会メンバーで話し合って、進めていきたいです。

新しい専用BOX。環境に配慮し、花王のサニタリー製品の製造過程で生まれる端材を原料の一部に活用。
また、新たな試みとしては、学校の広報活動に絡めて、学校説明会などで「学校のロリエ」を紹介できたらと思っています。取り組みに共感して、入学を希望する生徒が増えるかもしれませんよね!
——最後に、全国の高校生に「学校のロリエ」についてのメッセージをください!
黒澤さん:「学校のロリエ」をこの機会に知ってもらい、関心を持っているなら、アクティブにチャレンジしてみてほしいです。
植田さん:自分たちもやってみようと思う高校生が増えたらうれしいです。多くの人の悩みを解決することにつながるし、ちょっと大きな話ですが、日本全体の困っている人を減らすことにもつながると思うんです。

亀岡さん:生理について、もっと気軽に話せるようになったらいいですよね。「学校のロリエ」のようなナプキン備品化の取り組みは、そんな社会をつくる第一歩になるのではないかと思っています。
花王・田村:今日、みなさんのお話を聞いて、「学校のロリエ」を世に広めていく意義を改めて感じました。ナプキンの備品化を世の中の当たり前に——。そのきっかけとして、「学校のロリエ」が存在できたらと思います。生徒のみなさんが、先生や学校に提案しやすくなるような環境を整えるのが、今の僕らの仕事ですね。
生徒会のみなさんの行動力と優しさに、終始胸が熱くなりました。「誰かの困りごとを自分ごととして考え、行動に移す」——彼女たちの姿勢に、大きな希望を感じた取材時間でした。「学校のロリエ」や「職場のロリエ」の活動を通して、トイレにナプキンがあるのが当たり前の未来を私たちも一緒になって描いていきたいと思いました。
◆職場のロリエWebサイト
◆「職場のロリエ」導入事例:アツギ株式会社様
◆「職場のロリエ」導入事例:株式会社大林組様
◆「職場のロリエ」導入事例:株式会社湖池屋様
◆「職場のロリエ」を担当する若手社員の想い
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