2024年7月9日
ビギナー必見!
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花火やお祭りなど、浴衣を着る機会が増える夏。最近は気軽な夏のファッションとして、ネットで浴衣の着付けを覚え楽しむ方も増えてきました。
今回はそんな浴衣ビギナーさんに、浴衣を涼しく着るポイントと着崩れを防ぐコツを、着付けのプロのアドバイスを交えてお届けします。
浴衣を涼しく着るために、汗対策は重要なポイントです。
浴衣を着たときは、特に、首回り(浴衣がすれるところ)、バスト下、胴回り(帯があたるところ)、脇、その他、ももの内側、膝裏、足裏に汗をよくかきます。
まず、浴衣を着る前に、なるべく汗が出ないように、部屋を涼しくしておきます。
汗をかきやすいところは制汗剤やパウダー入り汗拭きシートを使うなど、事前に対処しておきましょう。
汗が止まらない人は、着付けの前に、脇の下や首の後ろを冷やすと効果的です。また、冷却シートや冷感スプレーでクールダウンするのもおすすめです。
浴衣は直に着ると汗を吸って肌に貼り付き、暑苦しく、着崩れしやすくなります。そのため、浴衣の下には、汗を吸う和装下着を着用しましょう。上下一体の「浴衣スリップ」などが便利です。ブラジャーは胸のボリュームを抑える和装ブラジャーを着用します。
また、和装下着の手持ちがなければ、胸の凹凸が目立たないスポーツブラやカップ付きのキャミソール、タンクトップとイージーパンツなども、和装下着の代用になります。速乾性や冷感素材のものもありますのでお試しください。
ここでは、最低限必要な基本の4点をご紹介。夏は風通しのいい、メッシュ素材のものを選ぶのもおすすめです。他にも、着やすく工夫された便利な小物が出ていますので、お好みに合わせてご使用ください。
浴衣は、汗取り用の下着を整えた上で、ふわっと羽織ります。体にぴっちり巻き付けないように気を付けましょう。
今回は和装下着の代わりにカップ付きタンクトップとイージーパンツを着用。胸とウエストの段差を埋め、汗を吸い着崩れしにくいように、ウエストにフェイスタオルをひと巻きしています。
きものフィッター
どっちが上?着物の重ね方に迷ったら…
①右手で持った浴衣の身頃を先に体に巻き、②次に左手で持った身頃を重ねます。右手、左手と覚えておくといいですね。
浴衣の丈は、風通しがいいように、くるぶしが出るぐらい少し短めにします。
浴衣の丈を決めたら、着崩れしにくいように、ウエスト位置で、しっかり締め、浴衣を体に固定します。
きものフィッター
トイレで着崩れないために
パンツなど下着のゴムの部分が、腰ひもより上の位置にあると、トイレで下着を下げるときに、腰ひもにひっかかり、着崩れの原因になります。腰ひもは、下着より上の位置に結ぶよう気を付けましょう。
衿は、衿と首に指が入るぐらい、肌にぴったりくっつけないように、気を付けます。前は、鎖骨が見えない程度に合わせます。
後ろは、空気が通るように詰めすぎず、衣紋(えもん)を抜きます。
きものフィッター
衣紋(えもん)と身八つ口(みやつぐち)
女性の浴衣は、脇の下の部分が「身八つ口」と言って、開いています。衣紋とこの身八つ口が開いていることが浴衣の涼しさのポイントです。衣紋を適度に抜くと涼しさが違いますよ。
胸ひもはバストの下に当て、身頃が開かない程度に結びます。
伊達締めは、胸元を安定させながら、きつく締めすぎないように巻きます。
浴衣を着終わって帯を着けたら、仕上げに、①肩幅に足を開いて、②膝を左右に開き股を割り、③内側の裾の端は巻き込まず返し、④整えます。
きものフィッター
最後の仕上げに「股割り」をお忘れなく…
「股割り」をすることによって、適度なゆるみが出て空気の通り道ができますし、足に浴衣が貼り付かず、格段に歩きやすくなります。
日傘の他、麦わら帽子、レースのUV手袋などを使うのもかわいいですよ。また、日焼け止めを塗るときは、首、うなじ、耳の後ろ、手の甲、足の甲も忘れずに。
花王のおすすめアイテム
汗を吸った浴衣は、洗濯表示を確認の上、洗える場合は自宅で洗濯しましょう。詳しいお洗濯の方法は下記の記事で紹介しています。
【浴衣情報の監修】
きものフィッター 坂田直(さかたなお)さん
正統派からアバンギャルドまで…仕立から着付・スタイリングと着物を総合的に手掛ける和裁と着付の専門家。「仕立 直や」において、和裁教室や着付け教室の他、投扇興、火鉢の会など伝統的な和文化を紹介する催事も主催。