2024年8月20日
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このたびの能登半島地震により亡くなられた方々には謹んでお悔みを申し上げるとともに、被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
災害への備え、できていますか?
2024年1月の能登半島地震では上下水道の復旧の遅れで、あらためて水が使えない生活の課題が浮き彫りになりました。
災害時に健康や衛生を守るために大切な口腔ケアや、水が使えないときのハウツー情報を紹介します。
INDEX
自然災害で避難した方が、断水時に経験した困りごとの中には、以下のような声がありました。
お風呂にしばらく入れなかったことは、つらかったです。(茨城/45歳・女性)
避難所では、すぐに周囲に汗臭さや吐く息のこもった感じがして、不快な臭いに敏感になり、体を拭くシート等も欲しかったです。(熊本/46歳・女性)
トイレがとにかく汚く悲惨でした。衛生問題が何とかならないかと思います。(宮城/27歳・女性)
自然災害で避難経験のある人 404人
2022年4月(My Kao くらしラボ 調べ)
水が使えないことは、衛生上、さらには健康上の問題を引き起こす懸念があります。
大規模災害では、普段の暮らしが一変して、口腔ケアもおろそかになりがちです。災害時の歯みがきの重要性について、歯科医師の佐藤佳昌先生に聞きました。
佐藤先生のアドバイス
被災後は不規則な生活や栄養状態の悪化、ストレス、入れ歯の紛失などにより、口腔の衛生状態が低下したり、食事が食べにくくなったりすることがあります。
災害関連死で多い肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患は、口腔内の衛生の低下や誤嚥がリスクになります。特に高齢者の方は、口の中を清潔に保つことがリスクを減らし、被災後の健康や生存に重要だと考えます。
支援物資には甘い菓子パンが含まれていることがあるため、むし歯のリスクが上がるので、歯みがきなどで口腔状態を清潔に保つことが重要です。
入れ歯を使用している方は忘れずに入れ歯を持って避難し、毎日お手入れしてください。
また水分を十分に摂ることも大切です。水分不足になると、脳卒中などの循環器疾患の発症リスクを高めます。唾液の分泌も減り、口が乾燥して食べたり飲んだりしにくくなることや、お口の衛生状態の低下にもつながります。避難中は意識して水分を摂取してください。
佐藤先生によると、口腔の衛生状態の改善には、とにかく歯みがきがよいそうです。具体的な歯みがき方法を紹介します。
佐藤先生のアドバイス
お口をサラサラにする唾液分泌UP術はこちら
佐藤 佳昌(さとう かよ)先生
歯科医師 花王株式会社 ヒューマンヘルスケア研究所
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科卒業。
博士(歯学)。日本歯周病学会認定医。
断水時など、水が十分に使えない状況でも、衛生を保つ工夫を紹介します。
花王のおすすめアイテム
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①毛先が丸いブラシがあれば、ブラシで頭皮にたまった脂分をほぐします。生え際から頭頂部に向かってとかし、脂分や汚れを髪に移すようにします。
(ブラシがない場合には、②だけでOK。)
②水でぬらして絞ったタオルで、髪を軽く分けながら、髪に移した脂分や汚れを拭き取ります。
長い髪はタオルではさんで汚れをたたくように拭き取ります。このとき、髪同士が強くこすれ合わないように注意しましょう。
「メリット ドライシャンプーシート すっきり爽快タイプ」ならば、地肌・髪に付いた汗のニオイ・ベタつき、ホコリなどの汚れも、すっきりオフ。厚手の大判シートなので、1枚で拭き取れます。
替えの下着がない、洗濯もできないときには、ティッシュペーパーやパンティライナーを下着に当て、取り替えます。
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ある程度水が使えるようになったら、大きめのフリーザー用のジッパー付き袋、もしくは丈夫なビニール袋で下着などを洗うことができます。
①袋に1リットル程度の水と洗剤をこぼさないように入れます。すすぎ1回の洗剤(「アタックZERO」等)なら節水できます。洗剤は「使用量の目安」に従います。
※洗剤の入れすぎに注意してください。
②水があふれない程度の洗濯物を袋に入れます。
例)下着、くつ下 1セット 等
※ファスナー、ボタン、ホックなどとがったものを入れると袋が破れることがあるので、注意してください。
③空気を抜いて口をきつく閉じます。もれないことを確認した上で、袋の上からやさしくもみ洗いします。もれが心配な場合は、袋を二重にするなどしてください。
④口を開けて排水します。洗剤液をよく絞っておくと、すすぎやすくなります。
⑤再び水を入れて同様にすすぎます。
※泡が残る場合は、水を入れて繰り返しすすいでください。
「アタック どこでも袋でお洗たく」があると、災害時に限らず、旅行やアウトドアでも使えるので、便利です。
2024年5月の調査では、災害に対する備えをしている人は75%にとどまり、25%の人は何も対策できていない状況でした。
2024年3月の調査で、非常用持出し袋を用意している人は、約半数の48%でした。非常用持出し袋を用意している人の中で、歯みがきセットや、替えの下着・衣類などを入れている人は3分の1以下にとどまりました。
歯みがきセットや下着・衣類などの他、今回紹介した断水時の健康や衛生の維持に必要なもの、足りていないものを確認して、備えを充実しておきましょう。
水が使えないときにいつでも使えるドライシャンプーシート、歯みがきシート、全身すっきりシート、ウェットシートがセットになったものもあります。
花王のおすすめアイテム
普段の買い置きに、食べた分だけ補充するローリングストック法を日用品でもやってみましょう。
備蓄のポイントは、「普段から使っているもの」を選ぶことです。歯みがきや生理用品、ウェットシートなどは、普段使っているものを備蓄しておき、消費したら買い足す、というサイクルを回すとよいでしょう。
9月1日は防災の日。既に備えている人も、まだという人も、この機会に家族で災害への備えを再点検してみましょう。
備えのチェックリスト
備蓄は、自分の家庭、家族構成などに合った中身になっているのかどうかを確認します。非常用持出し袋はリュックサックの他、スーツケース、カートに入れておくのも、持ち出しやすくて便利です。
いざというときに慌てないために、普段から防災情報をアップデートしておくことも大切です。できる範囲で取り組んでみましょう。
■防災お役立ち情報リンク集
災害に備える工夫やいざというときに役立つ日用品などについて紹介する花王のページです。
【調査概要】
◎2022年4月/インターネット調査/「My Kao くらしラボ」読者/5,689人
◎2024年3月/インターネット調査/「My Kao くらしラボ」読者/5,670人
◎2024年5月/インターネット調査/首都圏在住20〜60代既婚男女/各500人