2026年4月14日
整理収納アドバイザーNagisaさんに聞く
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「片付けたいのに時間がない」「どこから手をつければいいのかわからない」——そんな悩みを抱えていませんか。生活者の片付けの実態を踏まえ、整理収納アドバイザーのNagisaさんにお話を伺いました。
片付け第一弾では「暮らしを整えるための片付けとの向き合い方」や「無理なく続けられる片付けの工夫」についてのヒントを紹介しました。今回の第二弾では、読者から寄せられた悩みについて具体的なアドバイスをお届けします。
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花王の調査では、家の中が片付いていない理由は、「面倒」「物が多い」「片付けが得意ではない」「時間がない」などです。
普段から家の中が片付いていない人(あまり片付いていない、片付いていない人の計)は、「片付けが得意ではない」という苦手意識が、大体片付いている人より高いことが分かります。
さらに、「物が多すぎる」「どこから始めればいいかわからない」「捨てることに抵抗がある」なども高い傾向にありました。



また、片付いている人はそうでない人に比べ、片付けの効果として「見た目がきれいになる」に加え、「家が快適」「気持ちが落ち着く」「家事がしやすくなる」というメリットを実感している人が多いようです。
さらに、調査結果からは、片付いている人ほど、「使ったら元の位置に戻す」「定位置を決める」などを心がけている割合が高い傾向が見られました。これらは、第一弾でお伝えしたNagisa流「片付けを無理なく続けられるヒント」にある、物の住所(置き場所)を意識する考え方とも重なっています。
私が片付けに関心を持ったのは、2人目の育児が始まり、いつも当たり前にこなしていた家事ができなくなったとき。イライラする気分も、できるだけ減らしたいと思っていました。

片付くと、使うたびに物を探すムダな時間も減ります。家事がラクになると、自然と時間にも心にも余裕が生まれます。
(整理収納アドバイザー Nagisaさん)
My Kao くらしラボ読者から寄せられた、片付けの悩みや困りごとについて、整理収納アドバイザーのNagisaさんからアドバイスをいただきました。
整理収納アドバイザー/RoomStylist @Fukuoka
2児の母として家事・育児・仕事をこなしながら、「5倍速家事」を実践する整理収納アドバイザー。ゼロ歩収納など、モノの持ち方や手順を見直すことで、暮らしの中の「ムダ」や「迷い」を減らし、心と時間にゆとりを生む仕組みづくりを提案している。SNSや講座では、誰にでもできる片付けの工夫や、家族みんなが片付けに参加しやすくなる収納術を多数発信中。著書に『自分時間を作りだす 5倍速家事(Gakken)』『すぐやる人になる時間術(KADOKAWA/5月20日発売)』。
片付かない理由には、「どこから手を付けたらいいかわからない」と迷うことや考えることがあります。さらに「片付けは得意ではない」と思っていると、手をつけるのにも二の足を踏みがちです。
片付けは目的を明確にすると、優先順位は自ずと見えてきます。

「心地よく過ごしたい」「家事や育児をラクにしたい」など片付けの目的を明確にすると、場所や整える範囲も自然に定まっていきます。
まずは自分で判断できるものから。キッチンの冷蔵庫やカトラリー類、洗面所など、 思い入れが少ない物から取り組むと、小さな成功体験を積みやすくなります。家族の物や思い出の物は最後で大丈夫。
自分なりの「小さなルール」を作ると、動き出しやすくなります。

私はソファに座ると何もしたくなくなるので、座る前にやることは済ませるようにしています。今、やらなければ夜遅くなるから、「ソファに座る前にキッチンを整える」「テレビを見る前に食器を洗う」など。大きなゴールより、「朝のうちにここまで」「出かけるまでに家事はここまで」といった小さなルールを作ると、行動に迷いが減り、自然と体が動きやすくなります。

多くの人が「物が多すぎる」「もったいなくて捨てられない」悩みを持っています。捨てることを前提にすると片付けのハードルが一気にあがってしまいます。
Nagisa流片付けのヒントにある「使う頻度で仕分け」をした次のステップとして、使わない物を手放す判断の仕方、増やさない工夫、持っていい適量の目安について教えていただきました。

手放せない服ほど“試着”して判断するのがおすすめです。

迷う服ほど、一度着てみるのが近道です。しまっていると「痩せたら着たい」「昔は似合っていたから今も着られる」と期待が膨らみがち。でも実際に試すと、意外と「もう要らない」と判断できるものもあります。
見直しは季節の終わりがおすすめ。例えば、冬が終わったタイミングなら「この冬、着なかった服」がはっきりするので、迷わず決めやすくなります。

もったいないと感じて迷うものは、無理に手放さなくて大丈夫です。

まずは「今の理想の暮らしに本当に必要か、使うか」を基準に判断してみてください。思い出の品は戻せないから、いったん「一時保管BOX」を作って保管しておくと安心です。
手放す時期を子ども自身に考えてもらうのがおすすめです。

我が家も子どもの作品が増えがちですが、収納スペースには限りがあります。だからこそ「新しく入れるなら、どれか一つ手放そうね」を習慣にするのがおすすめ。
大切かどうかは子どもにしか分からないので、親は「入れていい範囲(箱・棚など)」だけ決めて、一定期間飾ったら、手放す判断は本人に任せましょう。無理に捨てさせなくても、選ぶ経験を重ねることで自然と片付くようになります。


ストックは消費サイクルを知ると、自然に適量が見えてきます。

ストックは増やすほど、管理や確認に手間がかかります。
たとえば洗剤なら「大容量を何か月で使い切るか」が分かると、家に置く適量と購入ペースが見えてきます。
調味料は、開封日をラベルに書くのがおすすめ。
いつ開けたか分からないまま冷蔵庫に残るのを防げ、手放すタイミングも判断しやすくなります。消費のペースが分かれば、次は小さいサイズにするなど、多少割高でもムダを減らす買い方ができます。
物を減らすには「収納場所を考えてから買う」意識が重要です。

「安いから」とまとめ買いしたり、置き場所がないのに物を家に入れたりしていませんか?物の量は“入口”を意識するだけでも、増えにくくなります。
買う前に、「家のどこに置くか」を先に決めましょう。この習慣で、家に入ってくる物の量は変わってきます。我が家では食器の置き場所がすべて決まっているので、新しい食器を増やすときは必ず一つ手放します。

見た目をスッキリしたいと思っていても、気が付くと出しっぱなしや、散らかってしまうと悩む人は少なくありません。どこに、どのように片付けるのがよいのか?生活動線や物を使う頻度、家の間取りは、家庭ごとに異なるため、正解は一つではなさそうです。
収納は、家族の生活動線に合わせて見直すことが大切です。

物が戻しやすいかどうか、家族の「生活動線」をよく観察してみましょう。よく出し入れする場所の近くに置き場所を作るだけでも、散らかりにくくなります。
例えば同じ文具でも、使う頻度で置き方を変えると片付けやすくなります。ボールペンなら、よく使うものはペン立て、使う頻度の低いものは引き出しに入れるという感じです。

原因は、収納が行動に合っていない可能性があります。

「なぜ戻せないのか」を観察してみましょう。
我が家では子どもがパジャマを洗濯機に入れないので理由を聞くと、「洗濯機まで遠い」とのこと。そこで、脱ぐ場所にカゴを置いたら、その場で入れられるようになりました。
家族がどうしても“やりっぱなし”にするなら、散らかりやすい場所を思い切って収納(置き場)にしてしまうのも一つの方法です。

片付けが苦手な人ほど“中身が見える収納”がおすすめです。

収納が得意でない人が白いボックスで統一すると、見た目は整っても中身が見えず、「何が入っているか分からない」状態に。
わが家の洗面所は、浅めの収納で洗剤のラベルが少し見えるようにしています。冷蔵庫なら扉を閉めれば外からは見えませんので、庫内は透明・メッシュなど「見える容器」で、見通しをよくする方がいいです。
自分一人が頑張っても「夫や家族が協力してくれない」「家族の物は勝手に判断できない」という悩みも多く聞かれます。家族が集うリビングや、家族の色々な物が集まりがちなクローゼットや納戸は、片付けの難所になっているようです。
子育て中は散らかって当たり前!大切なのは“戻しやすい仕組み”です。

子どもが散らかすのは当たり前。責めるのではなく、「家族みんなが戻しやすい仕組み」を作ることが大切です。リビングが散らかっても全部戻す住所(置き場所)が決まっていれば、イライラは減ります。「○分あれば元通り」と見通しが立つだけで、気持ちはぐっとラクに。完璧を目指すより、リセットしやすい収納を意識することがポイントです。

捨てる以外の“手放し方”を用意するとスムーズです。

「捨てない手放し方」から始めるのがおすすめです。遊ばなくなったおもちゃも、「リサイクルボックスに持っていこう」と声をかけると、子どもが納得して入れてくれることがあります。我が家でも子どもたちが「ぬいぐるみは捨てたくない」と言うので、不要になったものは物品寄付を受付ける団体に送付し、寄付という形で手放しています。
片付けの目的をまず家族で共有することが大切です。

あなたが感じている「日々の家事・育児が大変だから」「もっと心地よく過ごしたいから」という片付けたい目的を伝えていますか?
目的を共有せずに、SNSなどを見て「きれいにしたい」「なんとなく捨てたい」と、急に物を減らし始めると、ご主人との意識のズレが生まれやすくなります。まずは、 “なぜ片付けたいのか”を言葉にすることから始めてみましょう。
親世代の価値観を尊重し、無理に捨てさせないことが大切です。

親世代は、特に「物がなくて困った経験」や「物を大切にしてきた価値観」から、捨てることに強い抵抗がある場合があります。だから片付けは、最初から“捨てる前提”で進めない方がスムーズです。
まずは物にまつわる思い出や、当時のことを聞いてみましょう。話を聞いた上で「大事なら、無理に手放さず取っておこう」といったん受け止めると、安心して「じゃあこれはもういいかな」と手放せる物も出ます。
Nagisaさんへの取材を通して、片付けは単に整理整頓するにとどまらず、目的を明確にしたり、物との向き合い方、家族と心地よく暮らす工夫にまで心を配るなど、実に奥が深いものと実感しました。Nagisaさんも「自分にとって大切なものは何か見直し、今の暮らしに合わせて使いやすく整えていくことが片付け。『捨てる、減らす』だけを目的にせず、もっとポジティブに考えてほしい」と話しています。
家の中が整うと、探し物が減り、家事の動きがスムーズに。迷う時間が少なくなることで、日々の暮らしやこころにゆとりを生み出していきます。家が整っていれば、掃除もすぐに取り掛かれます。
これからも花王は、生活者の皆さまに寄り添いながら、家事や掃除がラクになる工夫を伝えてまいります。
【調査概要】
「生活者の暮らしまわりに関する調査」
◎2025年12月/インターネット調査/全国20~60代男女/1,000人
「片付けに関する調査」
◎2026年1月/インターネット調査/「My Kao くらしラボ」読者/4,416人