大掃除前の小さな奇跡。クイックルの洗面ボウルクリーナーを選んだふたり。

24時17分　美也子のつぶやき
また遅くなっちゃったな…
家のことを終えて、洗面台で歯を磨く。
やり始めると、あれもこれも完璧にと思ってしまう性格なのだ。
夫といえば自分の家事分担を終えてスヤスヤ寝ている。
ふと目を落とすと、
ハミガキ粉が、洗面ボウルにベタッと残っていた。
―え？　これまで掃除するの？
つい夫を恨みそうになって、はっと気づいた。
私、一人で抱え込んで、頑張りすぎてしまうんだよね。 
 
7時24分　創一のつぶやき
今朝、妻はバタバタと仕事に出かけた。
「大事なプレゼン」があるらしい。
洗面ボウルに、ファンデーションの粉がうっすら落ちていた。
―なんで、イライラするんだろう。
その正体にふと思い当たった。
仕事が順調な妻、それに比べ、最近の俺は…
そうか、焦っていたのか。自分も何かしなきゃって。

19時15分　金曜日の夜
帰宅した美也子と創一は、同じものを手にしていた。
「クイックルの洗面ボウルクリーナー、みつけたの。これで…」
と美也子が言いかけると
「あ、俺も。これで気づいたほうがサッと掃除できるなって」と創一。

ふたりの気持ちが重なった。
さあ、大掃除の季節がやってくる。