
【連載】毎月22日は # ふうふの日|ショートストーリー
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玄関に入ると、スパイシーな香りに包まれる。
夫の武が、参考書を片手にカレーを煮込んでいた。
青天の霹靂だった。
武が突然「会社を辞めて大学へ行きたい」と言い出したのだ。
きっかけは、仕事のイベントで子どもたちと触れ合ったこと。
「……俺、本当は先生になりたかったんだよ」と言う、
武の耳は真っ赤だった。
今後はバイトをしつつ、通信制の大学で学び、
教員免許をとりたいとのこと。
高校卒業後、家計を支えるために大学に行かず
働く選択をしたくらい、自分より家族を優先してきた人だ。
困惑しないといえば嘘になる。
けれど、武の一大決心を応援したい気持ちの方が大きかった。
夕食後、武は唸っていた。
どうやら中々解けない問題があるらしい。
「そうだ、これ。仕事帰りに買ったの。ちょっと休憩したら?」
と、めぐりズムのアイマスクを渡す。
「え、ありがとう」
武はアイマスクをつけ「あ~……」と声にならない声をあげている。
しばらくすると「……あ、そうか。うん、なんか分かったぞ」と、
ぶつぶつ言っている。
どうやら前に進めたようだ。
私もアイマスクをつけソファに沈み込む。
「みっちゃん、いつもありがと」
と、ちょっと照れた武の声が聞こえてきた。
花王 作成センター

ふうふのショートストーリーをカレンダーにしました。
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◆バレンタインデー、朝のすれ違い、夜の散歩など、
さまざまな“ふうふの時間”を描いたストーリー。
まだ読んでいない方はこちらからぜひ。
【1月】
チョコレート。そして、ビオレの泡で出てくるシャワーヘッド。
『君と歩く』
【12月】
大掃除前の小さな奇跡。クイックルの洗面ボウルクリーナーを選んだふたり。
『想いが重り合う時』
【11月】
ケープのマスカラ下地に変えた夜。君と見つけた、街路樹の冬支度。
『小さい冬、みつけた』
