【悪戦苦闘】
シェアする
実現不可能と言われてきた「“使用済みのつめかえパック”から再つめかえパックへのリサイクルへ」について、プロジェクトメンバーにフォーカスしながら、分かりやすくご紹介します。
立浪さん
包装技術研究所 リサイクルプロジェクトメンバー
2018年より、フィルム容器のリサイクルの研究に携わる
1991年に花王は初のつめかえパック入り商品を発売。これによりプラスチック使用量は大幅に削減できるようになりましたが、つめかえ終わった後のつめかえパックはプラごみになる、というのが今の現状。これを変えたい!と思い、立ち上がったのが立浪さんの所属するプロジェクトチームでした。
しかしながら、つめかえパックは、たくさんの素材が織り交ぜられて作られているため、そのリサイクルは長年、非常に難しいこととされてきました。
再つめかえパックにたどり着くまでに、数々の事件が起こります。1つめの壁は、実験するためのつめかえパックが全然足りないということでした。
立浪さん:実験もできなくて、本当に青ざめました。
花王PR担当:他社さんや地域の方々など、社外の協力を得て、最終的に累計73万枚の回収に成功したんですよね。
立浪さん:自分たちだけでは絶対集められない枚数だったので、本当に感激しました。
花王PR担当:続いて、第2の壁が現れます。再つめかえパックの原料となるフィルムを作ろうとすると、元のつめかえパックの印刷部分のインクやアルミが邪魔をして、フィルムに穴があいてしまうことが発覚。これはどう乗り越えたのですか?
立浪さん:簡単に言うと異物をとにかく細かくするということでクリアしつつあります。
花王PR担当:さらに立ちはだかった壁がありました。それは「試作品が全部濃い緑色になってしまうこと」!
立浪さん:(その時の試作品を)今日持ってきているのですが、この(濃い緑の)色をいかに薄くするかということに注力しました。
花王PR担当:今、立浪さんが取り組んでいることは、どんなことなんですか?
立浪さん:今はチームみんなで、再生つめかえパックをいかに安定的に量産できるかということを考えながら、商品化に向けて試行錯誤を重ねています。
また、多くの方がつめかえパックの回収に協力しやすい仕組みづくりということも、今後はチームのみんなでもっと進めていきたいと思っています。