JALさんと一緒に。“キレイのチカラ”で、快適な空の旅を支えたい!(後編)

  • 花王公式noteより

「衛生マニュアルの監修をしてほしい!」JALさんから相談があったとき

※撮影時のみマスクを外しています。

<プロフィール>

写真左:村田 好史(むらた・よしふみ)
花王プロフェッショナル・サービス株式会社 C&S企画開発部。
1995年入社。花王株式会社 業務品事業部を経て、2001年より現職。
 
写真右:内田 風衣(うちだ・ふうい)
花王プロフェッショナル・サービス株式会社 C&S企画開発部。
2019年入社。管理栄養士資格取得。
 
※C&S企画開発部:食品衛生や施設衛生などに対してソリューション提案を中心に食の安全や衛生管理をサポートする”衛生に関する専門部署”

——お二人がJALさんとのプロジェクトメンバーに選ばれたのは、2020年の秋ごろと聞いています。率直に、そのときの気持ちをお聞かせください。
 
村田:私たちが所属する花王のグループ会社「花王プロフェッショナル・サービス」は、もともと食品衛生と病院施設の感染管理という大きく2つを軸に活動していたのですが、コロナ禍において施設衛生の重要性を再認識し、積極的に取り組んでいこうとしていた矢先、JALさんからお声がけがありました。

私が20年以上にわたって携わってきたのは食品衛生で、企業などオフィスの施設衛生という分野は初めてでしたが、これまでに培ってきた知見と、花王の技術と商品力をもってすれば、十分対応できるのではないかと思い、自信を持って臨むことにしました。
 
内田:私は入社してから食品衛生を中心に取り組んでいたので、航空会社というまったく違う業界のお仕事を担当させていただくにあたり、正直不安はありました。その一方で、知識と経験が豊富な村田さんと一緒なら大丈夫という安心感があり、私自身も成長できるのではないかと感じました。


お客さまの安全・安心にかけるJALさんの衛生管理への想い

——JALさんからのご要望はどのようなものでしたか?
 
村田:お客さまにより安全・安心な空の旅をご提供するために、まずは機内化粧室の衛生を高めたいということでした。歴代のCAさんから伝承されてきた従来の清掃マニュアルを見直し、感染対策も含めた対応をしていけるように、専門的な知見で監修してほしいということでした。
 
内田:“お客さまファースト”ということで、空港のチェックインカウンターやラウンジなど、お客さまがご利用になる場所を第一に考えて、施設の衛生管理を向上させていきたいというご要望もありました。


徹底した現場主義とエビデンスに基づくご提案

——ご要望にお応えするために、具体的にはどのようなことを行なったのですか?
 
内田:今回の取り組みの中で一番大切にしたのは、「徹底的に現場を見る」ということです。
 
食品衛生のときでも現場を見ることは大切にしていますが、JALさんの場合は、私たちにとって初めてとなる航空会社の施設衛生であり、ご要望も多岐にわたっていたので、「まずは見せてください」ということで、何度も現場に足を運びました。

——何度も現場に足を運ぶことで、新たに見えてきた改善点もあったのでしょうか?
 
村田:あえて私たちから提案させていただいたのが、スタッフが使用するバックオフィスの施設衛生です。いくらお客さまが使用する場所を対策しても、バックオフィスの対策が不十分であれば、結果的にお客さまの安全・安心を守ることにはつながりません。これは、現場に何度も足を運んで、オペレーションを把握したからこそできた提案でした。
 
——現場に足を運ぶことと同様に、大切にしたことは何でしょうか?
 
内田:エビデンスを提示することです。まずは「ATPふき取り検査*」を実施して、各所をモニタリングしました。見た目にはキレイでも目に見えない汚れを数値で確認しました。
 
村田:機内の化粧室に関しては、汚れの検証に、初めてブラックライトを使用しました。尿に含まれる成分がブラックライトに反応することを利用し、どこに汚れがあるのか可視化することも行ないました。
 
このように数値化・可視化したエビデンスを提示することは、実践していただく現場の方々に、なぜそれをしなければならないのかを理解し、納得していただく上で欠かせないプロセスでもあります。せっかくマニュアルを作成しても、現場の意識がともなわないものであっては、絵に描いた餅になってしまいます。そこはJALさんも同じ想いでした。

*ATPふき取り検査:生き物を含む多くの有機物に含まれるATP(アデノシン三リン酸)を汚れの指標とした検査方法のこと。検査箇所の汚れ具合を10秒程度の検査で数値を基に確認できる。


“社会課題に向き合う”という志をともに、会社の垣根を越えてワンチームに

——JALさんと一緒にお仕事をして感じたことを教えてください。
 
村田:“社会課題に真摯に向き合う”という志は双方とも同じでした。コロナ禍で、さまざまな活動が制限される中、機内化粧室&空港をより快適に過ごせる空間にして、人々の活動を促し、明るい未来に向けて貢献したいという想いがありました。だからこそ、会社の垣根を越えワンチームとなって取り組めたという充実感があります。

内田:大人数が関わる大きなプロジェクトでしたが、花王もJALさんも、役割分担、情報の共有、縦横の連携が非常によくできていて、スピード感を持って進めていくことができました。
 
JALさんが、バックヤードのほか、フライト前の打合せスペースなど、普段私たちが見ることのできない現場さえも、オープンに公開してくださったのも大きかったですね。質問すれば、包み隠さず何でも率直に丁寧に答えてくださったので、本音で向き合えて、一歩踏み込んだ提案をすることもできました。風通しがよく、本当に楽しい現場でした。
 
——今回のJALさんとのプロジェクトから得られた学びは何でしょうか?
 
内田:やはり、現場を知るという事の大切さです。直接お話をうかがうなかで、一緒に課題を見つけていくことができたので、改善の提案も一歩踏み込んだものになりました。また、プロジェクトを進めていく仕事のやり方も学ぶことができました。
 
村田:「お客さまに合わせて、どうカスタマイズしていくのか」という視点を持てたことが、大きな収穫でした。現場に即したロードマップを作成し、スタッフのみなさんが徐々に衛生に対する意識を身につけていただくことが大事です。そのことに、改めて気づきました。
その結果として、空のキレイに貢献できているということはとても誇らしいです。


編集部あとがき

私たちnote編集部も、プロジェクトメンバーと一緒にJALさんを訪問して、清掃の様子を見せていただきました。会社の垣根を越えて志をともに手を取り合い、今の社会課題に向き合っていく、“ワンチーム”を肌で感じました。これからも、企業や社会、生活者のみなさんと一緒に、社会の衛生を考える機会をつくっていきたいと思います。
 
(前編)(後編)とお読みいただき、ありがとうございました!


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