花王とKOSÉは、2021年から化粧品のサステナビリティ領域において協働しています。使用済み容器から新しい容器をつくる「水平リサイクル」や、メイクアップ化粧品から絵具や印刷用インキをつくる「アップサイクル」などを進めてきました。
今回は、そんな企業の垣根を越えた取り組みのなかから、最新のアップサイクルの取り組みと、花王とKOSÉ初の次世代に向けた共催イベントを紹介します。
アップサイクルとは、捨てられるはずのものを、新たな価値を持つ別のものに生まれ変わらせることです。
メイクアップ化粧品をつくるには、何度も色味を調整し、品質を確認する必要があります。その過程で生まれる試作品は廃棄されてきましたが、試作品といえども想いの詰まったものです……。捨てるのはもったいないことから、メイクアップ化粧品のアップサイクルに挑戦してきました。
そして、花王とKOSÉが共に開発に取り組んだ最新のアップサイクル品が『SminkArtペン(スミンクアートペン)』です。最終的に商品にならなかった両社のメイクアップ化粧品が組み合わさり、水性ボールペンへと生まれ変わりました。
『SminkArtペン』の開発に両社は2023年の春から協力を始め、2024年の春に完成! メイクアップ化粧品からつくられているので、絶妙なパール感やキラキラ感があるのが魅力です。
担当者は「イメージしていた色が出なかったり、インクが分離してしまったりするのが大変だった」と開発の苦労を振り返りました。
こうしたなか、花王とKOSÉは『SminkArtペン』を使用したデザインコンテスト『Makeup Art Pen Award 2024』を多摩美術大学にて開催しました。
両社が向き合ってきた“美”と親和性のある、芸術や文化を担う次世代向けのコンテストを開催することで、多くの人にサステナビリティへの関心を高めてもらうことが目的です。
作品のテーマは「彩りがひらく、未来」。
そして、見事グランプリに輝いたのは、関原優奈さんの作品《バタフライエフェクト》です。関原さんは「一個一個の単位が社会を創ったらおもしろい」という発想のもと、蝶(バタフライ)の鱗粉を人の個性に例え、人々が重なり合い社会ができることを表現しました。
関原さんは「3色しかなかったので最初は不安でしたが、色を重ねるうちにどんどん強くなるし綺麗になっていきました。可能性のあるペンだなと思います。絵を観た方が『SminkArtペン』のことを知り、アップサイクルが広がっていったら嬉しいです」と感想を寄せています。
サステナビリティは次世代へとつなぐもの——。花王とKOSÉは今後も力を合わせて積極的にサステナビリティに取り組むと共に、次世代を担う若者たちの応援もしてまいります。