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今回は、ある共通点を持った研究員3名に集まってもらいました。その共通点とは“泡”商品を手がける研究員であること。“泡”といってもその特長はさまざま。開発を手がけた研究員とともに“泡”について深掘りしていきます!
花王には泡で出てくる商品がたくさんありますが、今イチオシの商品『ビオレu 泡ハンドソープ※』『トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック』『キュキュット CLEAR泡スプレー』の3つを取り上げます。
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同じ泡でも見た目が違いますね。それぞれ担当の研究員にお話を聞いてみましょう。
長持ちする泡『ビオレu 泡ハンドソープ』
『ビオレu 泡ハンドソープ』を手がけるのは、スキンケア研究所の浅川研究員です。このハンドソープ、ポンプを押すと泡で出てくるタイプですが、その泡にはどんな特長が?
浅川研究員「一言で表すと『長持ちする泡』です。従来品と改良品の泡持ちを比較してみましょう。30秒間しっかり洗っても改良品(下図右側)はこんなに手に泡が残ってるんです!」
これは処方が違うから?
浅川研究員「そうなんです! ポンプ構造は新旧まったく同じ。中身の処方を改良したんです。泡がへたる原因の一つとして泡同士がくっついてどんどん大きくなり、最終的に弾けてしまうことがあるのですが、今回の改良では泡同士をくっつきにくくするために、泡と泡の間に緩衝材の役割をするような成分を配合。これにより、しっかりこすっても弾けにくく長持ちする泡を作り出しました!」
処方でそんなことができるんですね!
浅川研究員「それでいて従来品よりも速くすすげるように仕上げました」
モコモコで吸着する泡『トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック』
『トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック』の担当は、ハウスホールド研究所の土屋研究員です。トイレブラシでこする毎日の便器そうじは大変ですよね? でもこれならスプレーして5分間放置後、流すだけでピッカピカ※に! 泡パックの特長を聞いてみましょう。
※こびりついた汚れは落とせません。
土屋研究員「スバリ!『モコモコで吸着する泡』です。ちょっと実験をお見せします。このお盆に向かって泡をスプレーすると……こんなに垂れにくいんです! しっかり留まるからこそ汚れを取り込めるんです!」
垂直なのにピタッと留まっていますね。これだと汚れ落ちも期待できそう!
土屋研究員「秘密は新配合の吸着持続成分。これを配合することによって、便器内の垂直面でもピタッと吸着し続ける泡処方を実現できました!」
すすぎ性ばっちりな泡『キュキュット CLEAR泡スプレー』
最後は『キュキュット CLEAR泡スプレー』。担当はハウスホールド研究所の益田研究員です。『キュキュット CLEAR泡スプレー』は、まな板やお皿にスプレーしておけば後はすすぐだけでOKなとても便利な商品! 泡にはどんな特長が?
益田研究員「『すすぎ性ばっちりな泡』です。従来処方と改良処方ですすぎ性を比べた実験をご覧ください。右の改良処方のほうは、すすぎ水を加えると……どんどん泡が弾けて消えていくんです!」
すごい! いつまでもすすがなきゃいけないのは面倒ですもんね。
益田研究員「それでいてちゃんと油汚れも落とせるんです。大きく処方設計を変えたことによって、さらに泡切れの良い泡を追求したんです!」
いろんな特長をもった“泡”があることをお伝えしましたが、ここからは泡研究の裏側を。それぞれに大変なことやこだわりなどを聞いてみました。まずは『トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック』担当、土屋研究員の本音は?
便器を見つめる日々。最初はキツかった……
土屋研究員「当たり前ですけど、トイレと毎日向き合っています。自分で用を足した後に、とにかく試作品を試しています」
汚れモデルは使わないのでしょうか?
土屋研究員「汚れモデルもあるんですけれど、やはりリアルな汚れの方が信頼できる結果だと思うんです。最初は抵抗もあったのですが、今はどうすれば汚れをもっとキレイにできるのかを考えるのがおもしろくて!」
感触命だからこそ!一日に何度も手洗い評価!
続いて『ビオレu 泡ハンドソープ』担当の浅川研究員に聞きます。
浅川研究員「ハンドソープは手の平に出して使うので、感触も大事。評価の日は、一日10回以上は手を洗います。それもあって僕たち研究所のメンバーは手洗いが上手すぎちゃって……。なので、あえて別のハミガキの研究員などに声をかけ、一般的な手洗いの様子を観察することもあります!」
いろんな料理を作って→洗うの繰り返し!
『キュキュット CLEAR泡スプレー』担当の益田研究員は、どんな研究の日々を?
益田研究員「食べ物によって汚れが違うので、とにかくいろいろな料理を作っては食べ、それを洗うのを繰り返しています」
地道な研究ですね。研究の本番は、食後の食器洗いなのですね!
さらに研究員の本音を探るべく、質問にYES or NOで答えてもらいました。
Q. ほかカテゴリーの泡商品の研究を参考にすることがある。YES or NO
この質問には全員がYES!と回答。例えばトイレ洗浄剤担当者がハンドソープの処方をチェックすることもあるのでしょうか?
土屋研究員「あります! 自分が探している正解を知るときもあって、お互いチェックしていると思います」
けっこう研究員同士で情報交換をしているのですね!
土屋研究員「いろんな泡の研究結果が集まりやすいのは、幅広い商品を扱っている花王ならではかもしれませんね」
Q. 今後も自分の泡研究を極めたい! YES or NO
YESを挙げたのは浅川研究員と益田研究員。NOを挙げたのはトイレ洗浄剤に携わる土屋研究員だけ……。理由が気になるところですが、まずはYESを挙げたお二人に理由を聞いてみましょう。
浅川研究員「泡は見た目や感触で誰でも良し悪しがわかりやすい。そこがおもしろいのでまだまだ極めたいです!」
益田研究員「私も泡質の研究の奥深さを感じていて、もっと追求して良い商品を作りたいのでYESです!」
それでは、土屋研究員がNOである理由は?
土屋研究員「私は面倒なそうじをポジティブなものに変えていくことが使命だと思っていて、泡はその手段の一つに過ぎないかなと。今後は泡だけじゃなく、さまざまな製品の形態を通じて多くの方にワクワクを届けたいので、あえてNOにしました!」
そういう意味でのNOだったのですね。ちょっと安心!
こうして研究員は生活者のみなさまにより良い商品をお届けすべく日々奮闘しています。