
【連載】毎月22日は # ふうふの日|ショートストーリー

妻が首にきしめんかけてる。
首からきしめんぶら下げて、 洗濯物を干している。
夏のお天気、 よく乾きそう。
次の日も妻は、きしめんかけてる。
うちわ片手に、 文庫本を読んでいる。
ページをくるたび、きしめん揺れる。
なにそのきしめん、どうしたの。きこえちゃいない。
次の日、妻はソファであみもの。
首にはきしめんかけている。
ぽつぽつぽつ、 雨降ってきた。
ざあざあざあ、 夕立だ! 窓があいている!
けれども妻は、あみもの夢中で気づかない。
写真! 濡れちゃう!濡れちゃうよ!
そしたらどこから風吹いて、首にかけてたきしめんが、
ふわりと揺れて、妻の頬をやさしくなでた。
妻はふっと顔をあげ、雨に気づいて窓ぴしゃり。
窓辺に飾った二人の写真、 ほんのちょっと濡れている。
そっとぬぐって、ほっとためいき。やれやれ、よかった。
すると妻は振り向いて、とことここちらにやってきて、
チーン、と一回おりんを鳴らして、僕に向かって手を合わす。
そして、新しい袋からきしめん、
……ビオレ冷タオルって書いてある。きしめんじゃなかった。
それをとって、また首に。
夏でも窓をあけるのが好きな、妻の新しい涼み方らしい。
二人で過ごした最後の夏の、ひんやりとした風がもどった。
花王 作成センター

ふうふのショートストーリーを
カレンダーにしました。
翌月の分とともにダウンロードしてご活用ください。
◆さまざまな“ふうふの時間”を描いたストーリー。
まだ読んでいない方はこちらからぜひ。
【7月】
夏、ひとりだちをした息子に。ふうふで会いに行くお伴に、ビオレの日やけ止め。
『ドライブ・アゲイン』
【6月】
単身赴任の夫に。寝つきをよくする、めぐりズムのアイマスク。
『やわらかな時間へ』
【5月】
春、君が眠る前に。睡眠環境を整えるクイックルワイパー。
『想いが香る、夜』
【4月】
新年度を迎えた春。似た者同士のお悩みに、ビオレのディープクレイ洗顔。
『春がはじまる、洗面所』
【3月】
息子と2人で迎えた卒業式。ブローネのヘアマスカラでわたしも桜も満開に。
『卒業式の朝』
